死ぬほど税金を取られる日本…でも産油国には税金なんてないんだぜ？産油国に生まれたかったね… [855883438]

「産油国って、石油収入で豊かなので税金がないって本当ですか？」と質問されることがある。中東には多数の産油国があり、
国ごとに制度や経済・財政の状態が異なるので一言で答えるのは難しいが、湾岸協力会議（ＧＣＣ）諸国に関して言えば、
国民が支払う税金は非常に少ない。

　ＧＣＣ諸国では商店で買い物をしても消費税を取られることはないし、毎月受け取る月給から税金が天引きされることもない。
相続税もないし、原稿料への課税もない。ＧＣＣ諸国に住んでいる人で、重い税負担があると感じている人はいないであろう。

　各国の飛行場にあるデューティフリーショップでは、お土産を買うインド人やパキスタン人などで賑わっているが、
ＧＣＣ諸国の人を見かけることは少ない。国内で売っている商品には税金はほとんどかかっておらず、街中でも大差ない
値段で買えるためである。

　しかし、税金が全くないわけではない。例えば、クウェートでは、個人はクウェート人も外国人も所得税を取られることはなく、
クウェート人が所有する会社も税金を支払うことはない。すべて無税かと言うと、クウェートで営業している外国企業は税金
（法人所得税）を納めている。

　イスラーム国家を名乗っているサウジアラビアの税制は複雑である。ザカートがあるからである。ザカートは日本で
は「喜捨」と訳されることが多いが、一般的に、イスラーム諸国では宗教に則った慈善目的の寄付金として取り扱われている。
しかし、サウジアラビアでは、「ザカート法」や「ザカート法実施細則」などの法律が作られ、日本の国税庁・税務署に相当する
財務省のザカート・所得税局が査定し徴収しており、税金の一種と位置づけられている。法律では、サウジ企業とサウジで営
業するＧＣＣ諸国の企業はザカートを支払い、それらの国の個人も、原則としてザカートを支払うことになっている。

http://middleeast.asahi.com/column/2010081700001.html