イラク:シリア内戦逃れたクルド人 避難先に再び迫る戦乱
イスラム過激派組織「イスラム国」の侵攻が迫るイラク北部のクルド人自治区では、隣国シリアの内戦から逃れて来た２０万人以上の難民が生活している。
多くは治安が安定する自治区の同胞を頼ってきたクルド人たちだ。自立に向けて努力を続ける難民たちは、再び近づいてきた紛争の足音に不安を募らせている。【アルビル（イラク北部）で秋山信一】
自治区の中心都市アルビル郊外にあるクシュタパ難民キャンプでは約５０００人のシリア難民が暮らすが、４５度近い炎天下で大半はテントに引きこもり、人通りがなかった。
キャンプの一角で乳幼児用品店を営むアブドルハミド・アフマドさん（３４）は昨年８月に妻子６人とアルビルに避難してきた。
シリア北東部ハサカ県で土木作業員をしていたが、イスラム国がクルド人居住地域への攻撃を始め、故郷を離れた。
今年７月、避難生活が１年になるのを前に店を始めた。国連や非政府組織（ＮＧＯ）の支援で食料や水、電気は手に入るが、自力で稼ぎを得たかったからだ。
キャンプには子供が多く、ミルクやお菓子がよく売れている。
キャンプの奥にあるプレハブでは、ラシッド・ラシードさん（２９）がミシンと格闘していた。子供服の縫製をするアルバイトだ。
シリアの首都ダマスカスで情報技術者として働いていたが、内戦の影響で会社が倒産したため、今年２月に家族４人でアルビルに来た。
だが技術者としての仕事が見つからず、今月１０日に縫製の仕事を始めたばかりだ。
父親（５８）はシリア北部カミシリで仕立屋をしており、ラシードさんも１０代の頃はよく手伝っていた。「家族を養っていく道を見つけたい」と話す。
自立に向けて一歩を踏み出した２人だが、気がかりはイスラム国の存在だ。６月にシリアからイラク北部に勢力を拡大し、８月には治安が安定していた自治区の境界にまで侵攻した。
アフマドさんは「国際社会の助けで、クルドを危機から救ってほしい」と訴えた。
http://mainichi.jp/select/news/20140825k0000m030074000c.html
トルコ「クルド人は来るな」
迫害しすぎて難民化させても周りから恨まれ、かといって自治区でも与えようものなら周りから恨まれ
こう生かさず殺さず。とりあえずイラクに基盤をもったクルド人をイスラム国は一度叩かないといけない流れではある