環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉参加１２カ国は７〜１２日、米ワシントンで首席交渉官会合を開く。
交渉の進展状況を確認し、前進を狙う。
鶴岡公二首席交渉官は４日、同会合に向けて出発し、成田空港で記者団に
「わが国は国会決議もあり、国益を最大限に実現することを目指して、できるだけ成果の上がる交渉に
臨んでいきたい」
と語った。
７日からは一部の作業部会が始まる他、首席交渉官同士で個別協議を行う。
首席交渉官全体の会合は８日から始まる予定だ。
交渉参加１２カ国は１１月、中国・北京で開かれたＴＰＰ首脳会合で、できる限り早期の交渉妥結を確認。
ルール分野で交渉分野ごとに課題解決の期限を区切り、交渉を加速させる作業計画を作った。
今回の首席交渉官会合では、この作業計画の進捗（しんちょく）を確認する。
だが、特に難航する知的財産分野では先進国と新興国とで隔たりが埋まっていない。
鶴岡氏は「必要な柔軟性を発揮する」ことが早期妥結の鍵だと指摘した。
鶴岡氏は各国が個別に進めている関税協議について、
「いよいよ最終局面に差し掛かって、取りまとめることが一つの大きな課題になっている」
とも語った。
首席交渉官会合期間中、日本は米国を含む各国と関税協議を進める予定だ。
米国との農産物関税をめぐる協議では、重要５品目の中でも
「難しい問題に入ってきている」（甘利明ＴＰＰ担当相）
日本農業新聞（2014/12/5）
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=31109
>>1つづき
状況で、米国は日本に厳しい要求を続けている。
オーストラリアなど米国以外の農産物輸出国との交渉も含めて、重要品目の聖域確保を求めた国会
決議が守れているかが重要になる。
今回の首席交渉官会合後すぐには閣僚会合は開かれないとみられる。
鶴岡氏は
「まだまだ課題は残されているので、今回の首席会合が行われた後ただちに、政治決断を仰ぐような
状況になるとは私は思っていない」
との見通しを示した。