第一人者井山裕太（２５）が一気の３連勝で防衛に迫れば、挑戦者山下敬吾（３６）が
地力を発揮して巻き返し、３連勝で追いつく。
踏みとどまるか、大逆転か。囲碁の第３９期棋聖戦七番勝負は史上１０度目となる劇
的な展開だった。
井山の第７局勝利で終止符が打たれたシリーズ。両雄はどんな気持ちで戦ったのか。
井山ＶＳ．山下の七番勝負といえば初対決となった４年前の名人戦が名高い。
激闘につぐ激闘で山下が名人となった。
序盤からのねじり合いも辞さず、深い読みに基づいた濃密な駆け引きを繰り返す。
両者のタイトル戦は現代の名勝負だ。５度目となる今シリーズは勝敗の経過も劇的だった。
１月中旬に開幕し、第３局を終えスコアは一方的。後のなくなった山下は無欲ともいえ
る心境になった。
「第４局から第６局は、一局でも多く打てるよう頑張る、との気持ちだけでした」
第４局、優勢とみられた井山が崩れて山下が１勝を返すと、流れが一変する。
井山にとって正念場の防衛戦だった。
昨年末に王座と天元の二冠を失って現在は四冠（名人、棋聖、本因坊、碁聖）。
３連続失冠は絶対に防ぎたい。
「１局勝つことは常に大変なことですが、今回ほど大変と思ったことはない。
初めてというか（最後の１勝まで）非常に長かった」
朝日新聞[2015年3月24日16時30分]
http://www.asahi.com/articles/DA3S11667785.html
激闘を終え、静かに言葉を交わす井山裕太棋聖（左）と山下敬吾九段＝２０日、新潟県南魚沼市
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20150324002657_comm.jpg
>>1つづき
迎えた最終局。６期ぶりの棋聖位を目前にした山下の心はどこか平静ではなかった。
「意識はしていないつもりでも、どうしても勝ちたいという気持ちが出てしまう。
最終局は悔いが残る。もう少しましな碁が打ちたかった」
と語った。
井山は
「余計なことを考えず、納得のいく碁を打とうと思った。最終局は精いっぱい戦えた」
と振り返った。
１勝ずつ返されている間
「最高の相手と最後までしびれる勝負ができる。自分にとってプラスのことだ」
と言い聞かせた。
■山下「結局勝負は一局一局」
一方の３連勝後にもう一方が３連勝した例は過去９回。
最初の５回はすべて３連敗４連勝の大逆転で決着しており、後から追い詰められたら
流れは引き戻せないというのが通説だった。
大逆転を逃したのは２００４年の棋聖防衛に失敗した山下が初。
１１年には最後に踏みとどまって本因坊を防衛した。
「流れは変えられないといわれますが、結局、勝負は一局一局なんだと思います」
と山下は語る。
最終局の終局直前、負けを知りつつも戦い抜く山下の姿に、立会人の小林覚九段が
「つらいね」と一言。
小林は１０年前の名人戦で大逆転を逃した。
>>1>>2つづき
「あの頃を思い出しました。追い込んできた山下さんだって、相当なエネルギーを使っ
てきたのです。それにしても井山さんの底力はすごい。感動させられる七番勝負でした」（伊藤衆生）
■両者３連勝で最終局に及んだ七番勝負（〈 〉内は挑戦者）
年 棋戦 勝者 敗者 勝敗の経過
１ １９７３ 旧名人 林海峰 〈石田芳夫〉 ●●●○○○○
２ ８３ 棋聖 〈趙治勲〉 藤沢秀行 ●●●○○○○
３ ８３ 本因坊 〈林海峰〉 趙治勲 ●●●○○○○
４ ８４ 名人 趙治勲 〈大竹英雄〉 ●●●○○○○
５ ９２ 本因坊 趙治勲 〈小林光一〉 ●●●○○○○
６ ２００４ 棋聖 〈羽根直樹〉 山下敬吾 ○○○●●●○
７ ０５ 名人 張栩 〈小林覚〉 ○○○●●●○
８ ０８ 本因坊 〈羽根直樹〉 高尾紳路 ●●●○○○○
９ １１ 本因坊 山下敬吾 〈羽根直樹〉 ○○○●●●○
１０ １５ 棋聖 井山裕太 〈山下敬吾〉 ○○○●●●○
今の棋聖って若いんだな
http://sports.geocities.jp/mamumamu0413/total.html
井山でも20位にすら入ってない
おまけに特別若くもない