てんかん患者「差別が原因で警官になれなかった。拳銃やパトカーは扱えないと言われた。怒りを覚える」 [777352723]

　「またかよ」。カツトシ（２５）＝仮名、韮崎市出身＝の脳裏に、過去の嫌な記憶がよみがえった。
８月に起きた、ＪＲ池袋駅近くで乗用車が暴走し５人の死傷者が出た事故。逮捕された医師がてんかんの治療中でありながら、薬の服用を怠っていたというニュースに怒りを覚えた。
「こういう人がいるから、てんかん患者全体が色眼鏡で見られる。あのときもそうだった」

　山梨県内の高校を卒業後、警察官になるという目標に向かい、都内の専門学校に進学。
３年かけてようやく警視庁の試験に合格した。２０１１年９月に警察学校に入校。「あこがれの警察官になれる」と期待に胸をふくらませていた。

　警察学校での生活は、心身ともに負担の大きいものだった。体調が悪化していくのに伴い、てんかんの発作が起きるようになった。
カツトシの場合、発作は決まって就寝中に起きる。訓練中に発作を起こすことはなかったが、ある日教官にてんかんであることを打ち明けた。

　「てんかんがある以上、拳銃を扱わせることはできない。パトカーも運転させられない」。

てんかんと聞いたとたん、教官は顔色をがらりと変え、カツトシに自主的な辞職を勧めてきた。相当こたえたが、教官の態度の理由には心当たりがあった。

　カツトシが警察学校に入る半年前、てんかんの発作で意識を失っていた男性が運転するクレーン車に、小学生６人がはねられ死亡する事故が起きた。
この事故をきっかけに、てんかんによる事故が厳罰化された。カツトシ自身、「あの事故以来、てんかん患者への風当たりは強くなった」と感じている。
http://www.sannichi.co.jp/article/2015/10/28/80022222
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てんかん　
脳の神経細胞が過剰活動を起こすことで発生する。
原因は脳に何らかの障害や傷がある場合や、原因不明の場合もある。
意識消失やけいれんなどの症状があるが、服薬で発作をコントロールすれば通常の生活を送ることが可能。