ラーメン店：「かもめ食堂」気仙沼に帰郷 復興の一歩に
毎日新聞 2015年11月19日 12時18分（最終更新 11月19日 12時21分）
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「かもめ食堂」で自慢の一杯を手に笑顔を見せる千葉憲二さん＝宮城県気仙沼市港町で２０１５年１１月１８日午後４時１４分、井田純撮影
今春まで新横浜ラーメン博物館（横浜市港北区）で人気を集めたラーメン店「かもめ食堂」が１９日、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市に「帰郷」となるオープンを果たした。
同市出身で店主の千葉憲二さん（６４）は「新しいまちづくりが進む気仙沼でみんなに愛される店にしたい」と話している。
気仙沼にはかつて同じ名前の店があり、住民たちに親しまれていたが、後継者がいなかったため２００６年に閉店。気仙沼湾の目の前にあった建物はその後も残っていたが、震災の津波で流された。
現在、東京や仙台などでラーメン店を経営する千葉さんにとっても、４歳の時に父に連れられて初めてラーメンを食べた思い出の店。
「名前を復活させて、被災した故郷を活気付けたい」と元店主の了承を得て、１２年に横浜の店を開き、「帰郷」を目指してきた。
新店舗は、元の「かもめ食堂」の場所にも近く、港に面した土地。千葉さんは「店が（復興が遅れている）海のそばに、にぎわいを取り戻すための明かりの一つになれば」と話す。
店の前には午前１０時の開店前から行列ができ、３０席の店内はすぐに満席に。近くに住む佐藤京子さん（６１）は夫婦で来店し、
「元の店は小さいころ親に連れられ、結婚後は息子と来た家族の思い出の店。懐かしい名前が戻ってきてうれしい」と話した。
自信の「かもめラーメン」は、鶏ガラベースのスープに、地元特産のサンマの香油をきかせた港町の味。復興に向かう街で、当面は無休で営業を続ける。【井田純】
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