新潟日報「自民党は安倍の独裁。だが、国民は安倍に日本の政治を委任したわけではない」 [615263751]

自民党６０年　柔軟さと多様性はどこへ
　自民党が結党６０年を迎えた。歴史の大半を政権与党として歩んできた。その理由は、
党内に幅広い意見があり、それを認め、柔軟さや多様性を発揮して世論にしなやかに対応
してきたからだ。
　安倍晋三総裁のもと、この美風が失われているように見える。
党内議論は低調で、硬直化、画一化が進んでいる。
　党内民主主義が後退し、安倍「独裁」に陥っているのだとしたら、
いずれ世論の離反を招こう。盤石に見える政権運営の裏側に目を凝らさねばならない。

　総裁選に野田聖子氏が出馬しようとして推薦人が集まらず断念し、論戦が封じられた。
安倍氏側の圧力が強かったという。
　政府、首相官邸が党より強い「政高党低」といわれる。数のおごりや暴論も目に余る。
小選挙区制と政党交付金によって、派閥が弱体化し、総裁の力が強まったことが背景にある
。派閥の害は無視できないが、人事とカネによる強権支配であってはならない。

　国民は安倍総裁に日本の政治を白紙委任したわけではない。
　結党の原点と、歩んだ歴史に誠実に向き合うべき時だ。
http://www.niigata-nippo.co.jp/opinion/editorial/20151120218624.html