ネパール人「香川の人は、うどんをよく食べているから糖尿病の人が多くて心配。お前らカレー食え。ネパール料理で野菜を摂れ」 [659133739]

海を越えて
ネパール料理店経営、チャリシェ・テクナラインさん　／香川

食べきった皿に幸せ感じ　チャリシェ・テクナラインさん（５５）＝ネパール出身

　「香川では、糖尿病の人が多いと聞いた。ネパール料理で不健康な人を減らしたいと思った」。
高松市内で３店舗を経営しているチャリシェ・テクナラインさん（５５）。
３０年以上の料理歴を生かした豊富なメニューで、多くのネパール料理ファンを作っている。

　仏教の開祖・釈迦（しゃか）の生誕地、ネパールのルンビニ出身。
２１歳の時に、「料理人になりたい」と思い、インドのニューデリーに移った。
４年間掃除や皿洗いなどの下働きをした後、本格的に料理人として調理場に立ち、
カレーはもちろん、アジアのさまざまな味を学んだ。

　日本に移住したのは３５歳の時。ニューデリーで知り合った日本人に料理の腕を買われ、
岐阜県内で料理人として働き始めた。以後、東京や大阪、愛知などを転々としながら、料理人として活躍した。
「日本人の舌に合うように、調合も工夫した」と苦労しながら、永住ビザも取得した。

　２０１４年８月には、香川県に移住して、ネパール料理店を次々に３店オープンし、経営者となった。
そのうちの２店舗の名前である「ＳＡＭＪＨＡＮＡ（サムジャナ）」はネパールにいる長女（２８）の名前で、
ネパール語で「忘れないで」という意味。「忘れず、来店してもらえるように」という意味を込めた。
同店では、ネパールやインドから取り寄せた香辛料を使ったカレーやナン、タンドリーチキンなどを楽しむことができる。

　経営しながら気がかりなことがある。香川県では、糖尿病の受療率や死亡率が高いことだ。
「香川の人は、うどんをよく食べているから心配になっている。ネパール料理で野菜を摂取してほしい」と話し、
ネパール料理を好む人が増えることで、糖尿病になる人を減らしたいと考えている。

　日本に住んで２０年以上。第２の故郷となりつつある。
「言葉がわからなくても、料理を通して分かり合うことができる。
お客さんが、何も残さず食べきってくれた時の皿を見た時は、本当に幸せなんだ」。【古川宗】

　■人物略歴

　ネパール・ルンビニ出身。高松市在住。サムジャナ瓦町店は移転し、国分寺町新居３４９?４に１４日にオープンする。
他に内町と栗林町でも店舗を経営。

http://mainichi.jp/articles/20160304/ddl/k37/040/515000c