【福島】イケメン小学生が一人きりで卒業式。一度は埼玉に引っ越したが差別され福島へ帰還していた「復興に関わる仕事がしたい」 [711847287]

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　東京電力福島第１原発が立地し全町避難している福島県双葉町の町立双葉北小は２３日、同県いわき市にある仮設校舎で卒業式を行った。
たった１人の卒業生、大高滉士（あきひと）君（１２）は避難先の学校で一時不登校になったが、昨年６月に同小に戻り、通学できるようになった。
＜暗いトンネルの中にいた僕を明るく照らしてくれた先生方、本当にどうもありがとう＞。
答辞に精いっぱい、感謝の思いを込めた。

　原発事故当時、双葉北小の１年生だった。
両親と弟、妹の５人で埼玉県や新潟県などを転々とした。
避難先で転入した学校で心ない言葉を言われて傷つき、次第に学校に通えなくなった。
「双葉の学校なら行きたい。友達がいるかもしれないから」。母美穂さん（４２）に伝え、家族でいわき市の借り上げ住宅に移った。

　初登校の日は「不安で胸がいっぱいで、母の車から降りられなかった」。
給食だけを食べて帰ることから始め、担任の林香世子教諭（５０）がパズルなどをしてくれることで徐々に長く学校にいるようになり、昨年１２月からは他の学年の仲間と一緒にバス通学できるようになった。

　同じ学年の仲間が戻らない中、６年生として運動会の選手宣誓をしたり、ポスターを作ったりした。
美穂さんは「明るくなって周りの人のことも考えられるようになった」と振り返る。学校であったことを家で話すようにもなった。

　＜震災は悲しみだけでなく、たくさんの喜びも与えてくれました＞。
小さな体育館で堂々と読み上げた答辞で、震災後の５年を振り返った。

　卒業後は同じ仮設校舎に入る双葉中に進学する。「古里のために、復興にかかわる仕事がしたい」。胸を張って夢を語る姿に、美穂さんは「大人になったね」と目を細めた。

　双葉町は町面積の９６％が放射線量が高い帰還困難区域。原発事故による避難で双葉北、双葉南の町立２小は休校になり、２０１４年に南西約６０キロのいわき市の仮設校舎で一緒に授業を再開した。
震災前、両校にいた児童３４３人は現在、１０人だけ。町は少人数を逆手に取り、不登校などに悩む子どもを積極的に受け入れる方針を打ち出しており、町民以外で通う子もいる。
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