年収別政党支持率データが公表される [656580197]

（データを読む　世論調査から）低年収層の支持政党　格差不満で変化の兆し？
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米大統領選挙の共和党の候補者選びで、不動産王ドナルド・トランプ氏の躍進ぶりが注目を集めている。メキシコ国境に壁を造り、テロの容疑者には水責めも――。
過激な主張を繰り広げるトランプ氏が支持されるのは、経済的な格差が広がり、現状への不満や転落への不安を抱く人たちが共感しているからだ、としばしば解説されている。
これは近年、格差が問題にされる日本でも「トランプ現象」が起きる可能性はないのだろうか。朝日新聞社の全国世論調査（郵送）のデータからは、日本の政党の支持模様にちょっとした異変が起こっていることが読み取れる。

約１０年前の２００５年１２月に実施した調査で世帯年収の層別に支持政党をみると＝グラフ左＝、どの層でもほぼ同じ割合が自民を支持していた。
ところが、昨年３月の調査＝同右＝では、世帯年収が高い層では自民支持が増え、低い層では逆に減っていた。その結果、世帯年収が高い層ほど自民支持が多いという傾向がみられるようになった。
世帯年収が低い層、特に３００万円未満の層で自民支持に代わって増加が目立つのは、無党派層だ。

この層に注目するのは、この人たちが経済的な格差が拡大しているという見方を強くもっているとみられるからだ。
昨年３月の調査でも、所得の格差が「広がってきている」は８１％（全体では７６％）、所得の格差は「行き過ぎている」も５４％（同４４％）で、いずれも高い水準だった。

　今のところ支持政党に変化の兆しがうかがえるのは、今回挙げた世帯年収が低い層など一部にとどまっている。しかし、もしこの層にくすぶる格差への不満や不安の導火線に火をつける政治家が現れたら……。
こう想像力をたくましくしてみたとき、「トランプ現象」は対岸の火事ではなくなってくる。

　（山下剛）

　◆「データを読む」は今回で終了します。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12277494.html?rm=150