http://www.asahi.com/articles/ASJ3X6WGGJ3XUCVL040.html
愛とセックス、３Ｄで濃厚に 監督「現実はボカシない」
性や暴力など過激な描写でしばしば物議を醸す仏の鬼才ギャスパー・ノエ。Ｒ―１８指定で
公開中の新作「ＬＯＶＥ【３Ｄ】」は、１人の男と２人の女の性と愛を濃厚に映し出す。「愛あるセ
ックスを、肉体関係の絡んだ男女の激情を、正面から描ききろうと思った」と語る。
若い妻オミ（クララ・クリスティン）と幼い息子と暮らすマーフィー（カール・グルスマン）は元日
の朝、元恋人エレクトラ（アオミ・ムヨック）の母から「娘と連絡がつかない」という電話をもらう。
彼は狂おしい後悔に襲われ、記憶は時をさかのぼる。心を引き裂く別れ、その原因となった自
分の裏切り、オミを交え３人で味わった強烈な歓喜、そしてエレクトラとの出会い……。
「苦痛から幸福、そして最初の希望へ。観客がどれもみな切なく感じるのは、結末が失敗と分
かっているからだ。大みそかの深酒でボンヤリしたマーフィーの頭に、思い出が時系列を無視し
て湧き出してくる」
性愛場面の３Ｄ映像は時にショッキング、時にその場にいるような空気を醸し出す。背景の濃
厚な赤やオレンジ色も印象的だ。
「中ぶらりんのまま人生のたそがれを行くマーフィーの気分を出した。ピンクやオレンジはノスタ
ルジックな色だ。母親の胎内の色だからじゃないかな」