半蔵門線九段下駅でベビーカー挟んだまま走行し車掌も運転手も運行優先で非常通報無視 [226664307]

四日午後三時ごろ、東京都千代田区九段南の東京メトロ半蔵門線九段下駅の
ホームで、ベビーカーを押した男性が中央林間発押上行きの電車に乗ろうとした
ところ、直前でドアが閉まり、ベビーカーの左前輪部分が挟まれた。

ベビーカーに子どもは乗っておらず、電車に引きずられながら約百メートル走行。
ホーム端の柵に衝突し、線路内に落ちて壊れた。

乗客や利用客が車内やホームにある非常通報ボタンを押したが、車掌は非常
ブレーキをかけず、そのまま走行が続けられた。

東京メトロによると、電車は十両編成で、ベビーカーが挟まれたのは六両目。
男性にけがはなく、一緒にいた女性と子ども二人は電車に乗っていたため無事だった。

同社の安全マニュアルでは、最後部車両に乗っている車掌がいったんホームに
降り、安全確認をしてドアを閉め、運転士に発車の合図をすることになっている。

同駅のホームは最後部がカーブした状態。車掌の確認が不十分だった。

車掌は
「運行を優先させてしまった。止めるのを躊躇（ちゅうちょ）してしまった」
と説明。

同社担当者は
「ホーム上の通報ボタンが押されたら必ず止まらねばならない社内規
　定に違反している」
としている。

同社担当者によると、ドア開閉部には軟らかいラバーが付いており、物が挟まって
一・五センチ以上開いている状態だと、電車が動かない仕組みになっている。
しかし今回挟まれたのはベビーカー前輪の細いパイプの部分。
軟らかいラバーに食い込む状態で、安全システムが作動しなかったとみられるという。

運転士も、先頭車両が非常通報の線路上のサインを通過していたため異変に気
が付かなかったという。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016040502000114.html