昨年７月、杵築市八坂で自宅を全焼させ子ども４人を死亡させたなどとして、重過失失火と重過失致死傷の罪
に問われた、父親の海上自衛官末棟憲一郎被告（４１）に大分地裁は１１日、禁錮４年６月（求刑禁錮５年）の判
決を言い渡した。
量刑理由で、今泉裕登裁判長は
「事件により、極めて重大で痛ましい人的被害が生じた。被告は（自宅玄関に）相当量の灯油をまき、何ら必要
がないのにライターに点火して火災を発生させた。過失の内容も著しく悪い」
と指摘。
「被告がただちに消火活動をするとともに、子どもらを救出しようとした」
としながらも、量刑は、法定刑上限の禁錮５年から「大きく動かないと考えるべきだ」と述べた。
その上で
「被害者遺族である被告の家族は被告を許している。
隣家への被害は弁償され、被告は結果を深刻に受け止めている」
ことを考慮した。
判決によると、昨年７月５日深夜、単身赴任先の広島県に向かう際、仕事に不安を覚え、妻（事件後に離婚）が
見送りに出てこなかったことに立腹。自宅玄関に灯油をまいて妻の気を引こうとした。
この際、ライターに点火し、灯油に引火させる重大な過失によって住宅を全焼。
子ども４人を死亡させ、１人に全身やけどを負わせた。
末棟被告の弁護人は「本人と話し合って控訴するか決める」と述べた。
海上自衛隊は４月１１日付で、末棟被告を懲戒免職処分とした。
武居智久海上幕僚長は「再びこのような事案が起きないようさらに服務教育を徹底する」とのコメントを出した。
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/04/12/235907145
末棟憲一郎被告（４１）は黒いスーツ姿で出廷。
証言台の前に立つよう裁判長から促されると、傍聴席に向かって一礼し、左右の拳をぎゅっと握り締めて判決の
言い渡しを待った。
「禁錮４年６月に処する」。
裁判長は
「量刑に当たり最も重視すべき点は、被告の子４人が焼死し、１人が全治不明の重傷を負うという極めて痛まし
い人的被害が生じた点だ」と指摘し、「子らは就寝中で、さらに人命が失われる危険もあった」と続けた。
火災から約９カ月。被告はこれまでの公判で、以前勤務していた山口県の職場で上官からパワハラを受けたとし、
「うまく眠れず体調を崩した。（広島県に転勤後も）思い出して症状はよくならなかった」
「妻が見送りに出なかったことに立腹はしていない。不安から妻に話を聞いてほしかった」
と説明。
度々涙を流し、後悔の言葉も口にした。
だが、大分地裁は
「精神的に不安定な状態にあったとしても精神障害が原因ではなく、被告の人格特性に基づき、短絡的かつ衝動
的に犯行に及んだ」とした上で、「捜査段階の供述通り、被告が妻に腹を立てたとみるのは極めて自然」と判断。
仕事に対する不安と「両立する」とした。
判決理由の朗読を終えた裁判長は、被告に「分かりましたね」と語り掛けた。被告は「はい」と小さな声で答えた。
閉廷後、被告の弁護人は「弁護人としては不服。
職場でパワハラを受けて精神的に不安定だったことが十分考慮されていない」と語った。
隊内でのパワハラに関して、海自第３１航空群司令部広報室は
「現時点でパワハラの事実は確認されていない。公判での発言を受けて事実関係を調査している」
とした。
証言台の前に立ち判決を聞く末棟憲一郎被告（左と中央後ろ姿） イラスト・田代耕一
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＞ 全治不明の重傷
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自衛隊の組織ってどうなってんだ？どの面下げて国民の命を守るとか抜かしてんの？