昭和２０年８月１４日。
終戦前日の午後３時すぎ、愛知県春日井市に１発の爆弾が落とされました。
その爆弾で姉を失った樋口ふみこさん（８８）は、
「一日のことで姉の青春がなくなっちゃったんですよね。もう一日、もう半日早く戦争が終わっていれば。本当にそれが何より悔しいです」と当時を振り返ります。
翌日、日本は降伏し、終戦を迎えます。
この日、春日井市に落とされた爆弾は、長崎に投下された原爆とそっくりに造られた模擬原爆でした。
プルトニウムの代わりに火薬が詰められていましたが、その量は日本各地の空襲で投下された爆弾の２０倍もありました。
模擬とはいえ威力はすさまじく、猛烈な爆風と炎が町を焼き尽くしました。
春日井市の金子力さん（６３）は講演会で、この空襲のことを子どもたちに語り伝えています。
金子さんが模擬原爆のことを知ったのは、中学の教師だった２３年前です。
生徒に教えるために地元の空襲を調べていた時でした。
調査を進めていると、この模擬原爆は、春日井だけではなく日本各地に落とされていることが分かりました。
模擬原爆の投下は、通常の空襲とは違う原爆投下部隊による特別な作戦だったのです。
金子さんは「通常の空襲については３３１回の任務がありましたが原爆投下部隊はその数には入っていません。
原爆投下部隊は７月２０日から、特殊なスペシャル・ボンビング・ミッションという特殊攻撃をしていて、それが１８回ありました」と自らの調査で分かったことを教えてくれました。
スペシャル・ボンビング・ミッションは、日本語で特殊爆撃攻撃任務という意味で、広島、長崎に原爆を投下するための作戦でした。
模擬原爆の投下は、原爆投下を確実に成功させるための予行演習だったのです。
その投下は、終戦の年の７月２０日から８月１４日まで行われ、全国で４００人以上の方が犠牲になりました。
落とされた模擬原爆は４９発にのぼります。
東海地方では名古屋市昭和区や岐阜県大垣市、静岡県島田市などに落とされました。
最後に投下されたのが春日井市だったのです。
爆弾の投下が目視できる場所であればどこでもよかったといいます。
爆弾が落ちた場所では、家が跡形もなく吹き飛びました。
軍需施設や兵器工場でもない町なかにも、練習のためだけに投下されました。
こうして広島、長崎の原爆投下は実行されましたが、春日井市に模擬原爆が落とされたのは、そのあとの終戦前日の８月１４日でした。
それはなぜだったのか。
金子さんが入手したアメリカ軍の報告書には、模擬原爆が新たな兵器として使えるか試していたことが書かれています。
春日井市はその練習台でした。
さらに金子さんは「アメリカ軍が３発目の原爆投下の準備も進めていた」と言います。
金子さんは「アメリカ軍の報告書には、長崎に出撃に行った８月９日に１５機のうちの２機が長崎型原爆の核の部分を取りにいったというふうに書いてあります。
日本が降伏をしなければ、３発目の原爆を投下したことは十分考えられます。
広島、長崎がちょっと離れた存在というイメージでいたんですけど、身近にぐっと近づいてきたと思いました」と話します。
模擬原爆が投下された春日井市に建つ慰霊碑には、亡くなった樋口ふみ子さんの姉、玉子さんの名前が刻まれています。
玉子さんは当時２３歳でした。
樋口さんは、毎月この慰霊碑を訪れています。
春日井の空襲は５月以来無く、突然のことでした。
樋口さんは当時を振り返り、「Ｂ２９が２機、きらきらっと光って飛んでくるのが見えた程度で、いつもどおり通り過ぎていくものと思っていたら、ガガガガっていう音がしました。
玉子がやられた、すぐ病院へ行ってくれという父の言葉を聞いて、病院にかけつけました。
本当に亡くなった姉ちゃんに申し訳ない、本当に申し訳ないと思うことばかりです」と、姉に対して申し訳ないという気持ちをいまも抱き続けています。
樋口さんは「戦争というのは無意味だと思いますね。人の命を奪うということがなにより無意味です。もう戦争は二度として欲しくありません」といまの世代に訴えます。
練習としての爆弾投下によって奪われた命。
戦争の現実は６９年たったいまも消えることはありません。
http://www.nhk.or.jp/nagoya/websp/20140731_mogigenbaku/
チベットの女子どもはもっとひどい目に遭ってるんだぞ。
なんでお前は、中共の批判だけは巧妙に避けるんだ？
どうして中共を擁護し続けるんだ？
どうせなら岸家に落とせば良かったのに