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外国人向け　富士産和紙に漢字ｎａｍｅ
◆常葉大４年中川さんがはがき販売事業

　外国人の名前を漢字で表し、富士山の伏流水ですいた和紙をあしらったはがきに筆ペンで手書きして販売する事業を、
常葉大教育学部四年の中川優芽（ゆめ）さん（２２）＝富士市中之郷＝が二十七日から始める。かつて国内最大の生産量を誇った富士市の製紙業を海外に発信し、盛り上げたい考えだ。

　Ｂｒａｎｄｏｎ（ブランドン）は「武走灯」、Ｍａｒｙ（メアリー）は「愛明里」。筆ペンでしたためた文字に、雪をかぶった富士山や色鮮やかな金魚のイラストを添える。
「外国人は漢字が大好き。音だけじゃなく、良い意味の字を当てるようにしています」。中川さんははにかみながら、こだわりを口にした。

　きっかけは二〇一五年二月と八月に体験した米国短期留学。まったく英語が話せなかったため、得意な書道と絵を生かして外国人と交流しようと始めた。
知り合った学生の名前に漢字を当てはめ、筆ペンで紙に書くと一躍人気者に。「この漢字はどういう意味？」「日本のどこから来たの？」と会話が弾んだ。大学や街中のカフェ、留学先のイベントなどで希望者を募り、計二カ月で二千人余にプレゼントした。

　作品を贈った人の一部は、数ドルのチップをくれた。留学中に書き切れなかった人もいたことから、帰国後にポストカード形式での販売を思い付いた。
せっかくなら製紙業で有名な地元・富士市の紙を使いたいと、知人をたどり、賛同してくれる企業を探した。広島市の原爆ドームに寄せられた
千羽鶴を再生紙に加工する事業を行う「富士共和製紙」の井出稔会長（８０）が協力してくれ、和紙をケント紙に貼り合わせたはがき五千枚以上を譲ってくれた。

　富士市はかつて紙・パルプの生産量が国内トップだったが、現在は国内二位に甘んじ、書籍や文書の電子化の流れなどで苦境に陥っている。
中川さんは作品販売にあたり、ポストカードに富士山の伏流水が使われていることや、富士の製紙業の歴史も説明するつもりだ。「富士市の製紙業は日本でも有数なのに、あまり知られていない。ＰＲにつながればうれしい」と話している。

　作品は一枚千五百円（送料込み）からで、インターネット販売する。漢字のほか、ひらがな、カタカナも選べる。ホームページは二十七日に開設予定で、国内向けに先行販売し、二月にも多言語対応する。「ｆｕｊｉｙａｍａ－ｃａｒｄ」で検索。

（松野穂波）
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170106/CK2017010602000088.html

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