人気のリアル「かすかべ防衛隊」に１５０人超が入隊し日夜防犯パトロールに励む [771738842]

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クレヨンしんちゃんの「かすかべ防衛隊」ならぬ「春日部防犯パトロール隊」が地域の安全を守るー。

警戒が必要な場所にスタンプ用紙を設置し、住民がはんこを押しながら巡回する取り組みが春日部市
で広がっている。
昨年１２月にスタートしてから「散歩がてら健康にもいい」と人気を呼び、巡回する隊員は１５０人を超えた。

春日部署が市民有志を対象に「地域防犯警戒隊員」を委嘱する取り組み。
同署はトラブルが起きやすい繁華街や振り込め詐欺に使われることが多いスーパーマーケットのＡＴＭ
（自動現金預払機）など８カ所に「警ら缶」を設置。
パトロールをする隊員はオリエンテーリングのように、缶の中にある用紙に持参のはんこを押す仕組みだ。

春日部を舞台に子どもたちが活躍するアニメ「クレヨンしんちゃん」の「かすかべ防衛隊」は、主人公の
しんちゃんをはじめ少年５人が難事件を解決するが、こちらの「春日部防犯パトロール隊」はほとんどが
高齢者だ。

「散歩する目的になる」「はんこを押すことで自分が歩いた証しになる」、しかも「まちの防犯に役立つ」と、
健康志向、正義感の強い市民に隊員が増えている。

「毎日歩いています」と笑顔で話す春日部市中央３丁目の只野芳孝隊員（７５）は、春日部駅西口、周辺の
ショッピングモール、自転車駐輪所の３カ所約２キロを巡回するのが日課だ。

「時間は決めずに歩いています。放置自転車などもたくさんありますよ」

と地域の様子に目を配っている。
春日部署は２３日、只野さんら積極的に巡回する隊員８人に感謝状を贈った。
パトロール隊の隊長でもある瓜田勝美署長は３月末で県警を退職予定で、実質この日が警察官として
最後の日となった。

瓜田署長は隊員たちを前に「かすかべ防衛隊」のように「ファイヤー！」と叫びはしなかったものの
「実は剣道でアキレス腱を切っちゃいまして…」
と、しんちゃんさながらに笑いを誘った。

２年間春日部署長を務め、警察官人生の締めくくりに自身の肝いりで始めた取り組みが広がった。

瓜田署長は
「皆さんのおかげで振り込め詐欺の発生が抑えられている。春日部は地域の見守りが活発な場所。
　市民と警察官のコラボがかなった」
と笑顔であいさつ。

「私も皆さんと同じように地域の安全、安心を見守り続けたい」

と話し、慣れ親しんだ春日部署の庁舎を後にした。

http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/03/30/11_.html