米軍の爆撃機と戦闘機が北方限界線の空域に入ったのは朝鮮戦争以来だった [818498592]

米軍の爆撃機と戦闘機は23日夜、東海（日本海）の北方限界線（NLL）の北側にある公海上に展開した。米軍の爆撃機が軍事目的でこの空域に入ったのは6・25戦争（朝鮮戦争）以来初めてだ。
米国が新たなタイプの強硬な武力アピールに出たと言える。特に韓日空軍の戦闘機が参加せずに米軍機だけで作戦を展開したことは、
米軍が最悪の場合には独自に北朝鮮に対する軍事行動を起こすこともあり得る点を示したと受け止められている。

■北朝鮮の地対空ミサイル射程圏外を飛行

韓米の軍当局は同日、米爆撃機、戦闘機による参加規模、詳細な飛行経路を明らかにはしなかった。一部メディアは、BIB爆撃機2機、F15C戦闘機6機が今回の作戦に参加したと報じた。
B1B爆撃機はグアム島のアンダーソン基地から、F15C戦闘機は沖縄の嘉手納基地からそれぞれ発進し、F15CがB1Bを護衛する形で飛行した。
これら米軍機がNLLの北側をどれだけ北上したかは確認されていない。ただ、米国防総省のホワイト報道官は「21世紀に入り、
北朝鮮の海上に飛行した米軍の戦闘機、爆撃機で今回は非武装地帯（DMZ）から最も深い北側に入った飛行だった」とし、かなり北上したものだったことを示唆した。
消息筋は北朝鮮東岸の主要都市、元山付近の海上まで飛行したもようだとした。米軍機は北朝鮮の地対空ミサイルの射程圏に入らないように、
北朝鮮の領海（12カイリ）から大きく離れた公海上を飛行したとされる。消息筋は「北朝鮮は最大射程距離250キロメートルのSA5対空ミサイルを配備しており、
北朝鮮の海岸から250キロメートル以上離れた海域を飛行したとみられる」と指摘した。

北朝鮮の海岸から300キロメートルの公海上で攻撃命令が下された場合、B1B爆撃機は約20分で平壌上空に到達し、統合直接攻撃弾（JDAM）などで金正恩（キム・ジョンウン）氏の宮殿や地下バンカーなどを精密攻撃することができる。「死の白鳥」との別名を持つB1Bは、B52爆撃機、B2ステルス爆撃機など米国の戦略爆撃機を代表する3機種の一つであり、
最も高速で武器搭載能力も最大だ。最大搭載量は機体内部に34トン、翼を含む外部に27トンの計61トンに達する。有事に際し、B1Bが3－4機、平壌上空で同時に作戦展開すれば、
平壌市内を焦土化できるという。ただ、現在配備されている機種には核兵器は搭載できない構造になっているとのことだ。

■東海上での米国の武力誇示続くか

今回の武力アピールの大きな特徴の一つに米爆撃機・戦闘機が友好国の参加なしで単独で作戦展開したことだ。
B1Bは昨年以降、北朝鮮の核実験、ミサイル発射に対応し、少なくとも6回にわたり韓半島に出動し、そのたびに韓国空軍のF15Kなどの護衛を受けるか、合同演習を実施した。
しかし、今回は韓国の戦闘機による参加はなく、初めて東海上で独自に武力を誇示した。

これについて、一部には韓国がDMZやNLLに接近する飛行に反対したため、米軍が単独行動したのではないかとの観測もある。
ただ、韓国軍消息筋は「東海の公海上での武力アピールは、韓国側が関与すべきことではなく、今回の緊急状況も韓米が（情報を）共有していた」とした。
韓国大統領府（青瓦台）関係者も同様の立場を示した。しかし、国立外交院のシン・ボムチョル教授は「必要ならば、米国が単独でいくらでも北朝鮮をたたけるというメッセージを伝え、
周辺国との調整を経ずに迅速に戦略資産を展開できることをアピールしたものだ」と指摘した。
シン・ウォンシク元合同参謀本部作戦本部長（予備役陸軍中将）は「B1の出動を直ちに公表し、有事に際して金正恩氏を排除する能力を示したほか、北朝鮮が（長距離弾道ミサイルの）『火星14型』で米本土を攻撃しようとした場合、韓国による参加や支援がなくても、北朝鮮を直接攻撃できるというメッセージを伝えたものだ」と分析した。
米爆撃機が夜間に異例の行動に出たことも、北朝鮮の対空砲、戦闘機が夜間作戦に弱い点を狙った奇襲攻撃能力をアピールしたのではないかとみられている。

韓国軍当局は北朝鮮の追加的挑発が続けば、来月東海に展開する米空母強襲部隊もNLLの北側公海上で武力アピールを行うなどする可能性があるとみている。
消息筋は「西海は中国を刺激する可能性があるため、主に東海上で米軍の強硬な武力アピールが続きそうだ」と指摘した。
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