【技術立国日本】神戸製鋼「我が社の鉄鋼技術は世界で最も先を行ってると自負している」 [709039863]

　神戸製鋼所が米国で大型投資を決めた。26日、米鉄鋼大手のＵＳスチールとの
合弁生産拠点で自動車向け高張力鋼板（ハイテン）の生産能力を増強すると発表。
投資額は４億ドル（約440億円）にのぼる。世界で広がる燃費規制強化を受け、
自動車の軽量化の流れは一段と強まっている。アルミや樹脂などほかの素材との競争も激しくなる中、
最先端のハイテン技術を主戦場に持ち込む。

　「ガソリン車だろうと電気自動車（ＥＶ）だろうと、自動車を軽くしたいというニーズはこれからも続く」。
同日、東京都内で記者会見した神戸製鋼の尾上善則副社長は強調した。
合弁会社のプロテックコーティング（オハイオ州）で増産するのは、「ハイテン」のうちさび止め処理を施した
亜鉛めっき鋼板。衝突安全性を維持しながら軽量化もできるため、車の燃費性能が改善できる。

　連続溶融亜鉛めっき設備を１基増設し、2019年７月に稼働する。プロテックのハイテン年産能力
は３割増の年200万ショートトン（約181万トン）に拡大する。神戸製鋼はほかに
加古川製鉄所（兵庫県加古川市）と中国にハイテン生産設備を持つ。
日米中の３極でグローバル供給体制を整え、自動車の軽量化ニーズに対応していく方針だ。

　神戸製鋼は新日鉄住金、ＪＦＥスチールに次ぐ国内３位の鉄鋼メーカー。
国内の粗鋼生産ベースのシェアは上位２社がそれぞれ43％、29％を持つなか、
神戸製鋼は約７％で規模では大きく劣る。それでも米国で大型投資をうつ背景には、
高品質のハイテンの生産技術は「世界で最も先をいっている」（尾上副社長）という自負がある。
日本国内での高品質の「超ハイテン」のシェアは３～４割を確保。自動車ボディーの主要骨格部品などに相次いで
初採用されるなど、トップランナーの役割を果たしてきた。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ26HJY_W7A920C1000000/