八木秀次氏「女系天皇を認めると皇族と一般国民との違いがなくなる。日本は老舗の多い国だから旧宮家の復活を」 [545512288]

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2018.4.20 19:53
【三重「正論」懇話会詳報】
八木秀次氏講演「男系継承こそ天皇たるゆえん」

　津市で１０日に開かれた三重「正論」懇話会の第１２回講演会で、麗澤（れいたく）大学の八木秀次教授が「御（み）代（よ）替わりに当たって考えておくべきこと」と題して講演した。
天皇陛下の生前でのご退位が皇室典範特例法によって実現する理由を解説。また、初代神武天皇から例外なく行われてきた男系継承こそが、天皇の地位を保証する源であることを論じた。要旨は次の通り。

※中略

血は遠くても

　特例法をつくるに当たっては全会一致が求められ、民進党の強い主張から、付帯決議に女性宮家の創設について検討するという内容が盛り込まれた。ただ、現政権は女性宮家の創設や女性・女系天皇容認に対して慎重姿勢を崩していない。

　女系を認めると皇位継承の対象者は一気に広がるが、皇族と一般国民との違いがなくなってしまう。一方、男系継承は対象者を絞り込む。天皇の天皇たるゆえんは、純粋な男系継承により、いわば細い糸につながる方だけが天皇の位につけるという制度にある。

　江戸時代の118代後桃園天皇が21歳で亡くなり、近親を探しても男子がいないという事態があった。そのため、天皇の曾祖父の弟の孫である光格天皇が即位した。男系継承を続けるために、その時々の天皇と血は遠くてもよいという考えからだ。
こうしたことは、25代武烈天皇から継体天皇、99代後亀山天皇から後小松天皇、といったように何度もあった。

　江戸時代には、代々皇族であり続ける世襲親王家が4つ存在した。代替わりするにつれて血が遠くなっても皇族を維持するシステムだ。
徳川家もそのシステムを借用している。例えば14代家茂（いえもち）と15代慶喜（よしのぶ）は、初代の家康までいかないと交わらない。家康の男系の血を正しく継承した者のみが将軍になれるシステムを世襲親王家に学んでつくった。

　江戸時代のある時期までは3つの世襲親王家しかなかったが、新井白石の提案で閉院宮（かんいんのみや）家が新たに創設された。徳川将軍家の継承がなかなかうまくいかず、おそらく朝廷もそうだろうというのが提案の理由だった。
そして、その約70年後に閉院宮家から光格天皇が即位した。光格天皇は今の皇室の直系の祖先であり、白石の進言がなければ、今の天皇陛下もいらっしゃらないことになる。

　旧宮家復活を

　政治の世界は権謀術数を重ねながら争っている。しかし、どんな権力者であっても侵すことができない地位がある。それが日本の祭祀（さいし）を司（つかさど）っている皇室、その頂点である天皇である。

　権力者の世界は能力を求められるが、天皇の地位は血筋だということを早くから確立し、その時々の天皇が権力者を認証していくシステムをつくり上げた。

　日本は老舗の多い国だ。大阪には法隆寺を建てた金剛組という会社がまだ存在している。欧州には何百年も続くブランドがあるが、数は日本の方が格段に多い。
こつこつ努力すればやがて報われるという国民性に通じるが、国民が巻き込まれるような大きな政争や動乱がなく、社会が安定していたからだろう。それは、どんな権力者も脅かすことができない天皇という地位があるからだと理解している。

　初代の神武天皇以来、純粋に続けられてきた男系継承を続けていくべきだ。戦後皇籍離脱した旧宮家の復活が、歴史にかなった方法だ。

https://www.sankei.com/west/print/180420/wst1804200072-c.html