自衛隊統幕長が新説を提唱「文民統制とは安倍首相と自衛隊の距離が近づくことである」 [483468671]

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―そうした認識が安倍首相と通じるということですか。

　「第２次安倍政権ができた頃の著書を読んで、全く同じ認識だと思いました。２００３年のイラク戦争後、復興支援への自衛隊派遣の国会論議です。不信論から、危ない目にあわないかという温かいものに変わったとの指摘でした」

　「今の政権になって、安全保障に関する総理への説明に統合幕僚長が同席し、自衛隊の運用を直接説明できるようになった。話していて同じ時代を見てきたと感じます。危ない自衛隊を政治から離すという考えが主流だったのが、自衛隊と政治の距離がぐっと近づいた。真の文民統制だと思います」

　――自衛隊の最高指揮官である首相との距離が近くなれば、忖度（そんたく）が生まれませんか。

　「武器を扱う実力組織ですから、ご意向がこうだろうなんてなれ合いは絶対にありえません。簡潔明瞭に部隊の状況を報告し、総理の判断があればゴーです」

　――統合幕僚監部の３等空佐が昨年、野党議員に対する「馬鹿」「国益を損なう」といった暴言で処分。自衛隊への信頼の高まりが驕（おご）りを生んでいないでしょうか。

　「文民統制への疑義が生まれたことは真摯（しんし）に受け止めます。私は離任のあいさつで、先人の苦労で自衛隊はここまで来たが、『築城十年落城一日』だと言いました」

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