昭和天皇は園遊会などで参列者と話をするときに話を聞いてから「あ、そう」というのが常だった。 [769435759]

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昭和天皇の「あ、そう」について

昭和天皇が、園遊会などで、参列者と親しげに話をするときに、
話を聞いてから「あ、そう」というのが常だった。
結構有名な話だった気がする。

いま思えば、ずいぶんと練りに練った返答であったと思う。
昭和天皇は戦前は現人神として君臨し、
戦後は象徴天皇としてその憲法の定めるところに忠実に振舞っていたと思う。

戦前も御前会議で自ら意見をいうことはなく、元老や閣僚からの意見に耳を傾け、
会議の結論も自ら引出すというより、承認しただけという形だった。

唯一自己の決断をしたのが、終戦の決断である。
鈴木貫太郎首相の提議に、聖断を下したのであった。
あれは例外というか帝国憲法に照らしてもやや違憲の匂いがする。

かくまで天皇は自分の意見を表明しないものとされていた。
誰の話しを聴いても可とも不可ともいわず、
また応諾でもなく拒否でもない態度が求められていたのであろう。

そういう態度に徹した結果が、「あ、そう」という言葉になったものと思われる。
聞き置いた、という以外に実は何も言っていないのである。

園遊会などの参列者にしてみれば、陛下に話しを聞いていただけた、
というだけで感激するのだから、どういう反応であろうが、
不平のあろうはずがない。

普通の人が言ったなら、
「もう少し言いようがあるだろうが、ええ、物足りないね」
となるだろう。

絶対君主から象徴天皇へ、激動の昭和を63年の在位を生き抜いた。
変転する世界史にもまれながら奇跡的な在位年数を生きたのである。
本音で感想ぐらい言いたかったときもあるだろうが、
「あ、そう・・・」しか言わなかったし、言えなかった。

今上天皇や、皇太子は｢･･と思います」や「・・・を希望します」
という話し方をするので、象徴天皇としてのありかたに慣れて来ているのかな、
とも思う。

皇室は日本で唯一、基本的人権を認められない家族である。
下々の我々は楽でいいよね。
愚痴もこぼせるし、怒りに任せて｢バカヤロー！」も何度叫んだことか。

弱音を吐いてはいけない、汚い言葉を発してはいけない、
激して言葉を発してはいけない、感情を吐露してはならない、
あれも駄目、これも駄目、、、、駄目駄目、、というほどでもあるまいが、
自由のないことは明らかだ。

国籍・人種・家柄･性別どれも自分では選べない、
どこの馬の骨になるかは神様しか知らない。
となると皇室なんぞに生まれなくてよかったね、と有難くもなるじゃありませんか。

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