本番環境の設定ファイル「もしかして」　検証環境の設定ファイル「私たち」　「「入れ替わってる～！」」 [488086894]

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https://digital.asahi.com/articles/DA3S14411851.html

原発作業員の私、町の人と歩む　愛媛から単身福島へ　劇・よさこい、ともに熱演

ゼネコンの社員として愛媛県から福島県に来て、除染作業で出た汚染土の中間貯蔵施設で働きながら地元の人と触れあいを続ける男性がいる。住民と劇の舞台に立ち、よさこい踊りと和太鼓の練習に精を出す。東京五輪の聖火リレーの出発式で披露したいと願っている。

　まだ薄暗い午前５時半。山本修嗣（しゅうじ）さん（５２）は楢葉町の自宅を出て、４０分離れた双葉町に車を走らせる。明るくなれば片道１車線の国道６号にはダンプカーの長い列ができる。

　東京電力福島第一原発を囲むようにつくられた中間貯蔵施設には、福島県内の汚染土や焼却灰が集まってくる。山本さんは１６００ヘクタールにおよぶ敷地の一角で現場監督として作業員を束ね、放射線量が高い場所では防護服を着ながら指揮をとる。木を切り、家を解体し、焼却灰を保管する施設をつくる。

　福島に来たのは２０１８年９月。妻と３人の子どもは自宅のある愛媛にいる。朝４時半に起き、弁当を作って出勤。家に帰るのは夜の８時ごろ。アパートのまわりをジョギングし、ビールを飲んで寝床につく。

　図書館で見かけた一枚のチラシをきっかけに、会社の事務所がある富岡町の町民劇に参加した。赴任してから間もないころ。町を題材にした劇に取り組んで元気になろう――。そんな説明が書かれていた。

　明かりがともる民家はごくわずか。町内に住む人は１２００人ほどで、震災前の１割以下にとどまる。「戻っている人が少ないから道具係なら役にたてるかも」。軽い気持ちで説明会に向かった。

　男性が足りないからと役をあてがわれた。よそ者という意識もあり、緊張しながら本番までの４カ月を過ごした。

　地元の人たちとの会話が増えるにつれ、様々な境遇に置かれていることがみえてきた。帰りたいと願う人、帰りたいけど帰れないと悩む人、帰らないと決めた人。家族の中で意見が割れている人もいた。「自分自身が同じ環境に置かれたら、果たして決断できたか。大きすぎる問題に踏みつぶされそうになりながらも、乗り越えようとする姿がたくましくみえた」

　劇を企画し、原案を書いた青木淑子（よしこ）さん（７２）は当初、原発作業員にいいイメージを抱いていなかったという。「だから山本さんもどういう理由で参加するんだろうって。でも毎週けいこに来て進んで動いてくれた。控えめにふるまっていたが、町を盛り上げようという思いは伝わってきた」

　初舞台を終えた昨春からはよさこい踊りと太鼓のグループにも入り、老若男女に交じって汗を流す。

　東京五輪の聖火リレーが出発する２６日、式典で和太鼓を披露する予定だが、新型コロナウイルスの影響で縮小される方向に。「福島から始まるイベントなので計画通りに実施されることを祈るばかり。福島の姿が一人でも多くの人に届けばいいなと思っています」

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