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京セラインダストリアルツールズ、新たな電動工具ブランド「KYOCERA（京セラ）」を展開

京セラインダストリアルツールズ株式会社は2020年1月14日に、プロユーザー向けの新しい電動工具ブランド「KYOCERA（京セラ）」を新たにラインアップに加えると発表した。新たな電動工具シリーズは親会社である京セラの名を冠したシリーズで、2020年1月下旬よりKYOCERAブランド製品を順次発売する予定。
京セラインダストリアルツールズ株式会社は2020年1月14日にプロユーザー向けとなる新しい電動工具ブランド「KYOCERA（京セラ）」をラインアップに加えると発表しました。

今回発表された京セラブランドの電動工具は、既存のRYOBIブランドの電動工具と同等の製品で、製品名と外観カラーが異なる仕様として販売される。現在までに判明している京セラブランド製品名については下記のようになっています。

・充電式電動工具　RYOBI製品 [B**-*****] → KYOCERA製品 [D**-*****]
・AC電源電動工具　KYOCERA製品 [RYOBI製品名にAが追加]
・脱着コード式電動工具　KYOCERA製品 [RYOBI製品名にRが追加]

今回の新ブランド「KYOCERA」展開に関しては、新たなフラッグシップとなる電動工具シリーズや新カテゴリの製品展開は行われておらず、既存のRYOBIブランドのプロ向け電動工具をKYOCERAブランドとしても発売するととの内容に留まっています。
既存の「RYOBI」ブランドはどうなるのか

今回の「KYOCERA」ブランド展開は、プロ向けブランドとしての印象が薄いRYOBIプロ向け製品のある意味でのテコ入れ戦略である予想しています。

RYOBIのプロ向け製品は、丸ノコなど一部の製品ではプロユーザーにも評判がいいものの、全体的な傾向としてはDIY向けのブランドとして認知されている傾向が強く、今後のプロ向け電動工具市場へのイメージ一新を図って新たなブランドを立ち上げたものと考えられます。

今後の展開としては既存のRYOBIブランドと並行した製品展開を行い、将来的には「KYOCERA」をプロ向け工具ブランド、「RYOBI」をDIY･清掃ブランドとしてブランディングが進められるでしょう。
ついに動き始めた京セラの機械工具事業
今回の新ブランドは京セラ主導による今後の電動工具ブランド棲み分けを示唆するものであり、過去に日立工機で進められた、HiKOKIへのブランド変更のようなブランド廃止や移行スケジュールなどは無いと予想されます。

今回の件について1点残念な部分があり、充電式電動工具を使うユーザーが最も気にするであろう「製品の互換性」のアナウンスに乏しい点が挙げられます。

過去に行われた日立工機のHiKOKIへのブランド変更時にも、製品の互換性やサポートを気にするユーザーが多数見受けられた。京セラはRYOBIブランドと完全に分けて新規ユーザーに対するアピールを狙ったのかもしれませんが、既存のRYOBIユーザーに対しては若干不親切なやり方である印象を受けてしまいます。

京セラ本社が発行する統合報告書2019によると、京セラは今後も「積極的なM&Aにより空圧工具や電動工具などの製品ラインアップ拡充を進める」と記載しており、機械工具事業の方針として「総合工具メーカーとしての事業拡大」を図ると述べています。1

ただし、現在京セラが抱える機械工具事業は切削工具や空圧工具、電動工具など多種に渡っており、電動工具と加工機械を両方展開しているため、分野として離散的で経営上の相乗効果としてはあまりメリットが薄い状態と観測しています。

今後、京セラが電動工具事業の拡大を推進するには更なるM&Aや事業展開、海外展開も視野に入れなければなりません。

KYOCERAブランドのリリースに際しては「国内外での販売力強化を図り」とも語っているので、海外での販売強化も計画した結果、海外で既に展開されているTTI RYOBIとの差別化のために新たなブランド展開したものと推測されます。

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