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フェイスブック訴訟、難航も　「独占力」の解釈に注目

米連邦取引委員会（FTC）が米フェイスブック（FB）を反トラスト法（独占禁止法）違反の疑いで訴えた訴訟で、FTCは19日、修正した訴状をワシントンの連邦地裁に提出した。6月末にFTCの訴えが却下されたことを受け、焦点となる市場での「独占力」について主張を補強した。規制強化に向けたバイデン政権の意思を改めて示すものだが、訴訟は難航しそうだ。

　FTCは昨年12月、FBによる写真投稿アプリ「インスタグラム」やメッセージアプリ「ワッツアップ」などの買収が、将来性のあるライバル企業を取り込んで競争を阻む行為だとして提訴。ワシントンの連邦地裁は今年6月末、FTCの主張が「法的に不十分」として訴えを却下していた。

　今回の修正訴状では「FBが少なくとも2011年以来、継続的に個人向けSNS市場での独占力を保持している」と強調。FTC委員5人のうち、バイデン政権が指名した規制強化派のリナ・カーン委員長を含む3人が賛同した。FBはカーン氏が決定に加わらないよう求めていたが、FTCはこの申し立てを退けた。

　連邦政府による歴史的な独禁法訴訟として注目されるこの訴訟では、顧客が「無料」と認識して使うFBのような事例で「独占力」を立証できるかが焦点だ。連邦地裁は訴状を却下した際、「（独占力を及ぼす）市場の境界すら定かではない」と述べていた。修正訴状でFTCは、「個人向けSNS」を「友人や家族などとの個人的関係を維持したり、経験を共有したりするために使われるサービス」だと位置づけ、ツイッターやユーチューブなどとも、リンクトインのようなビジネスSNSとも異なる「市場」だと規定した。

　公開された訴状では黒塗りになっているものの、月間アクティブユーザーなどの数値も盛り込み、「12年以来、米国の個人向けSNS市場で、利用者が費やした時間のシェアはFBが80%を越えた」といったデータも示した。SNSでは利用者が増えるほど便利になる「ネットワーク効果」が働き、新規参入が難しくなる点も強調。FBが重ねた買収によって、参入障壁がより高まったと主張した。

　FBは19日、FTCの訴状修正について「当社が市場を独占しているという主張に正当性はなく、その点は変わっていない。FTCの主張は独禁法を書き換えようとするものだ」と強く批判した。

　08～09年にFTC委員長を務めたウィリアム・コバチッチ氏は「FTCは、訴訟が次の段階へと続くのには十分な主張をした。訴訟はまだ序盤に過ぎない」との見方を示した。ニューヨーク大学のエレノア・フォックス教授は、独占力について「製品供給を絞り、価格を上げる力」などと狭く解釈する場合、FBの独占力を立証するのは難しい、と指摘。「裁判所がより柔軟な解釈を受け入れるのか注目される」と述べた。

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