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赤まんま 〜草とり [386178591]

1 :141 赤まんま 〜草とり:2014/09/09(火) 14:57:59.72 ID:LsGIm1+I0.net ?2BP(2000)

 百姓の婆(ばあ)ちゃんは犬蓼(いぬたで)に話しかけました。

「おまえは、取っても、取っても生えてくるね。しつこい草だね」

 犬蓼が答えます。

「だってここは、私の畑だもん。ここで生きていてはいけないの?」

「おかげで毎年毎年、夏になると草とりに精出さなけりゃあならない」

http://image.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2014/09/09/uid000354_201409091236377d811042.jpg

 犬蓼は、少し間を置いて言いました。

「それじゃあ、私がいなくなればいいの?」

「そうなるなら、とても楽になるだろうね」

「私たち草が生えない畑になれば、ほんとうにいいの?」

「草1本生えない畑なら、極楽だね」

「でも、そうなるとこうやって話もできないわよ。草とり仕事もできないわよ」

>>2に続く
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=29715

2 :番組の途中ですがアフィサイトへの\(^o^)/です:2014/09/09(火) 14:58:47.92 ID:LsGIm1+I0.net ?2BP(2000)

>>1の続き

婆ちゃんは、少し考え込んでから答えました。

「たしかに、さびしい畑になるだろうね」

「そうでしょう」

 婆ちゃんは、笑いながら言いました。

「そうだね。おまえだって、取り残したものには、秋になると、こうやって可愛(かわい)い花を咲かせるからね」

「子供の頃に、私と遊んでいたじゃない」

「そういう昔もあったね。すっかり忘れていたよ」

 婆ちゃんは、花の茎をしごいて、手のひらの上に、花のつぶつぶを乗せて見ました。

「これを盃(さかずき)に盛って、ごはんにして、食べさせるまねをして、遊んだものだね」

 婆ちゃんの目が、うるんだように見えました。

「また来年生えて来なさい。とってあげるから」

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