民主党、枝野幹事長決定 [289765331]

民主党の海江田万里代表は枝野幸男元官房長官に幹事長就任を要請し、枝野氏も受諾した。
海江田氏には、自らと距離があるグループから要の幹事長を起用して、党の一体感を高める狙いがある。
菅内閣で官房長官を務めた枝野氏は知名度も高く、発信力を期待した起用とも言える。

海江田氏が党幹部の刷新で腐心したのは、党の「バラバラ感」の払拭だ。そこで海江田氏に批判的だが、
民主党政権時代に中枢を担い、党内で一定の影響力を持つ「６人衆」から起用する方向で検討してきた。
６人は野田佳彦前首相、岡田克也元外相、前原誠司元外相、玄葉光一郎元外相、安住淳元財務相、枝野氏だ。

海江田氏は岡田氏の幹事長起用も検討したが、代表経験があるベテランの岡田氏では「代表２人制のようにみられる」（党幹部）として見送った。
公然と海江田氏を批判した玄葉、安住両氏は除外し、「党がますます割れる」として、こうした動きを控えてきた枝野氏に白羽の矢を立てた。

海江田氏は枝野氏の発信力も買った。労組出身の大畠章宏現幹事長は手堅さはあるが、発信力に乏しい。
枝野氏は官房長官だった２０１１年３月の東京電力福島第一原発事故の際、深夜の記者会見を何度もこなし、
不眠不休で働く様子から、ネット上で「エダる」という造語ができるなど知名度がある。

また枝野氏は「私的な助け合いでは解決困難な問題を政治が補完する」ことを重視し、「社会のセーフティーネットを張ることは、
政治の大きな役割」とする海江田氏と比較的似た政治観で、労組系議員にも抵抗感が少ない。

しかし、自身のグループを持たず、与党時代に幹事長を経験したが党内基盤が強いとはいえない。
「バラバラ感」を払拭して、選挙や政策、国会運営で党内をまとめ、一体で安倍政権に対峙できるかが課題だ。

枝野氏は１２日、さいたま市で記者団に「とにかく民主党が立ち直らないといけない」と語った。

http://www.asahi.com/articles/ASG9D41PTG9DUTFK00B.html