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【悲報】ラノベの文章のレベルが低すぎて「これは児童書ではないか?」と俺の中で話題に [153736977]
- 187 :番組の途中ですがアフィサイトへの\(^o^)/です:2014/09/17(水) 20:56:05.30 ID:qsgvsSIG0.net
- めちゃくちゃ気持ちいいぞ、と誰《だれ》かが言っていた。
だから、自分もやろうと決めた。
山ごもりからの帰り道、学校のプールに忍び込んで泳いでやろうと浅羽直之は思った。
中学二年の夏休み最後の日の、しかも牛後八時を五分ほど過ぎていた。
近くのビデオ屋に自転車を止めて、ぱんぱんに膨《ふく》れたダッフルバッグを肩に掛けて、街灯もろくにない道を歩いて学校まで乗った。
北側の通用門を乗り越える。
部室長屋の裏手を足早に通り抜ける。
敵地に潜入《せんにゅう》したスパイのような気分で焼却炉の陰からこっそりと周囲の様子をうかがう。
田舎《いなか》の学校のグランドなんて広いだけが取り柄で、何部のヘタクソが引いたのかもよくわからないぐにゃぐにゃした白線はひと夏がかりで散々に踏《ふ》みにじられて、
まだ闇《やみ》に慣れきっていない目にはまるでナスカの地上絵のように見える。右手には古ぼけた体育館、正面には古ぼけすぎて風格すら漂う園原《そのはら》市立園原中学校の木造校舎、
そして左手には、この学校にある建造物の中では一番の新参者の園原地区第四|防空壕《シェルター》。あたりは暗く、当たり前のように誰の姿もなく、遠くの物音が意外なほどはっきりと耳に届く。
いつまでも鳴り続けている電話のベル、何かを追いかけているパトカーのサイレン、どこかで原チャリのセルモーターが回り、稚かがジュースを買って自販機に礼を言われた。ふと、夜空にそびえ立つ丸に「仏」の赤い文字が目に入る。
つい最近になって街外れにできた仏壇《ぶつだん》屋の広告塔だ。気分が壊《こわ》れるので、見なかったことにする。
校舎の真ん中にある時計塔は、午後八時十四分を指している。
そんじょそこらの午後八時十四分ではない。
中学二年の夏休み最後の日の、午後八時十四分である。
イリヤ
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