トランプが当選すれば、円高に [895142347]

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米大統領選でトランプ氏当選なら２０％の「ドル安」も　為替相場大荒れ確実、円高どこまで？

為替市場関係者らの間で、１１月の米大統領選に向け、ドル相場の振幅が拡大するとの見方が強まっている。
英国では、６月２３日に行われる欧州連合（ＥＵ）離脱をめぐる国民投票の影響を織り込み、ポンド相場が７年ぶりの安値に落ち込むとともに、振幅の大きさは他の全てのＧ１０通貨を上回る水準に高まった。
ドイツ銀行やＪＰモルガン・チェース、スタンダード・バンクは、米大統領選の候補指名を目指す人物らがドルの強さに強い不満を表明しているとして、ドルもポンドと同様、政治的な動きに左右されるとみている。
民主、共和両党からは、中国が貿易上の優位を確保しようと人民元相場を意図的に低め誘導しているとの批判の声が上がる。これは米製造業の雇用が過去１０年間に１４％減ったことへの有権者の不安を反映したものだ。
米財務省は４月、外国為替報告書で中国や日本、ドイツなど５カ国・地域を「監視リスト」に指定した。
ドイツ銀行の外為調査グローバル共同責任者、アラン・ラスキン氏（ニューヨーク在勤）は５月６日のリポートで、
レトリックが行動に移されれば、競争上有利な為替相場を追求してきた国や地域が非難の的となり、相場の振幅が一層大きくなると指摘した。

ボストンに拠点を置くパイオニア・インベストメンツの為替戦略ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏は「米国の有権者の間に反グローバル化、自由貿易反対のムードが広がっていることを踏まえれば、強いドルが犠牲となる恐れがある。
市場はドルと米金融市場にリスクプレミアムを織り込み始めるだろう」との見通しを示した。同氏はドルがユーロや円、ポンドに対して下落すると予想している。
ＪＰモルガンの外為・商品・金利調査責任者のジョン・ノーマンド氏（ロンドン在勤）は、米大統領選後に貿易紛争が生じた場合、投資家はユーロや円を選好するだろうと予測。
スタンダード・バンクのＧ１０調査責任者、スティーブン・バロー氏（ロンドン在勤）は「英国のＥＵ離脱の可能性に対するポンド相場の反応を想起させる形で、ドルも大統領選の投票前の動揺」に見舞われるだろう」と警告するとともに、
不動産王のドナルド・トランプ氏が当選すれば、ドルはその数カ月以内に２０％下落するとの見方を表明した。

共和党の候補指名獲得が事実上確定したトランプ氏は今月、中国が貿易面で米国に打撃を及ぼし、ドル高が米国の競争力を損なっているとして、中国を「通貨切り下げの名人」と呼んだ。
一方、民主党候補指名の有力候補ヒラリー・クリントン氏は「通商検事」を任命しペナルティーを強化することで、「自国製品を人為的に安価に保つ国々に対抗する」方針だ。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160517/mcb1605170500012-n2.htm