ゴボウの侵入防げ 国の天然記念物・円山原始林
国の天然記念物・円山原始林へのゴボウの侵入を防ごう―。北海道自然保護協会は今月下旬、円山公園周辺で目立つ
野生ゴボウの除去を本格的に始める。ゴボウはもともと道内には自生していなかった外来植物。このまま放置すると、
公園に隣接する原始林の多様な在来植物を脅かす恐れがあり、同協会は作業を手伝ってくれる市民ボランティアを
募集している。
「これがゴボウ。食べるゴボウと同じですよ」。
今月１０日、円山公園内で同協会理事の山崎薫さんが大きな緑の葉を指さした。当たりを見渡すと、すぐに他のゴボウも
見つけることができた。
「野菜として栽培されたゴボウの種が動物にくっついて広がったなどと言われています」と山崎さん。ゴボウは夏に紫色の
花を咲かせ、種をつける。種にトゲが多いため、人や動物の体にくっつきやすく、拡散しやすいという。
円山公園周辺でゴボウがいつから野生化したかは不明だが、公園管理事務所の担当者は「他の外来植物を含め徐々に増えて
いるようだ」と話す。同協会は、野生ゴボウがこれ以上に増え、隣接する円山原始林に広がることを懸念している。ミズヒキ
やオオウバユリ、キツリフネなど多様な在来植物の生育環境を脅かす可能性があるためだ。
そのため、山崎さんを含む同協会の会員３人が昨年５〜１０月、試験的に除去作業を行った。また、円山の登山口周辺で
生息状況も調査したところ、原始林のそばまで至る所で生えているのを確認した。昨年秋には市民向けに除去作業の体験
イベントも開き、参加者２４人がわずか１日で１８０キロ分を見つけた。
本年度は市民ボランティアを募り、活動を本格化させる。
山崎さんは「ゴボウがほとんど目につかない状態にまで減らすことを目指したい」と話している。
公園周辺にはゴボウのほかオオハンゴンソウやイワミツバなどの外来植物も目立っている。円山の植生に詳しい札幌市立大の
矢部和夫教授（環境デザイン）は「外来植物を除去した後は、在来植物の群落が育つように見守り続ける活動も大事だ」と
指摘していた。
ボランティアの活動期間は今月２６日から１０月１３日までの毎月第２、４木曜日。午前１０時に円山公園管理事務所に集合する。
参加費として保険料３００円（年度末まで有効）。抜いたゴボウは焼却処分する。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0270564.html
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