http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201605/CK2016052202000117.html
築地市場（中央区）の豊洲（江東区）への十一月移転について、市場内の業者有志や消費者団体が二十一日、
移転時期の見直しを求める緊急シンポジウムを市場で開いた。新市場は交通の便や店舗の使い勝手で課題が
多いとして、移転の賛否にかかわらず開場を延期して解決にあたるよう訴えた。
約百五十人が参加。主催者は移転スケジュールの撤回を求める農林水産相への請願署名運動を進めており、
水産仲卸五百九十一社（一日現在）のうち、既に過半数の三百二十社分を集めたことを明らかにした。
弁護士や仲卸業者ら五人が登壇した討論では、三国英実・広島大名誉教授が「築地の活気とにぎわいを支える
仲卸の多くが十一月開場に反対しているのは問題」と指摘。女性の仲卸業者は「移転時期は書き入れ時の年末」と
窮状を訴え、会場の業者も「仲卸の店は、二人で大きな包丁を使ってマグロを切るには狭すぎる」と課題を挙げた。
また、別の水産仲卸業者の有志団体も二十日までに、業者の意見を聞き新市場の開場日を見直すことなどを
求める要望書を、百二十二社の署名を添えて農相と知事あてに提出した。（松村裕子）