【おへんろ】四国八十八か所を逆から巡る「逆打ち」が今大ブーム。通常のお遍路に比べてご利益なんと3倍！ [399583221]

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逆ルートでの遍路が人気、「順打ち」より功徳

うるう年に四国霊場八十八か所を逆のルートで回る「逆打ち」の人気が高まっている。

一般的な「順打ち」より功徳があるとされ、東日本大震災後、平穏な暮らしを願う人が目立って増えたという。

特に今年は、由来となる出来事があったと伝わる申年にあたり、旅行会社は「１２年に１度の好機」をうたい文句に
バスツアーを相次いで企画。逆打ち用の巡礼用品の販売も好調だ。

四国の遍路は「年間１５万人」と言われる。七十五番札所の善通寺（香川県善通寺市）によると、訪れる人の７割前後が
逆打ちの巡礼者だという。高松市の会社員の女性（４６）も、その一人。家族の健康を願って巡礼をしていた父が認知症
のため続けられなくなり、週末に少しずつ巡って元気付けようと思い立った。

自身もこの２年、離婚、転職、病気の治療で、生活が一変した。「１２年に１度の機会に巡礼を成し遂げられれば、
次の一歩を踏み出せる。自分をじっくりと見つめ直したい」と話す。

◆バスツアーが先導
逆打ちは２００８年頃から知られるようになった。０６年、四国４県などが遍路道の世界遺産登録を目指すと打ち出し、
大手旅行会社がバスツアーに力を入れるようになったためだ。

阪急交通社（大阪市）によると、今年の申込数は、前年比で１・５倍という活況ぶり。０８年や１２年と比べても
多いという。

同社は０８年、以前は約２週間かけて一周していたツアーを、日帰りや１泊２日で１年かけて回るスタイルに変え、
大ヒットさせた。担当者は「東日本大震災以降、自分を見つめ直したいと考える人の参加が目立つようになり、その
傾向が続いている」と話す。

クラブツーリズム（東京）は、「うるう年限定」と銘打ったツアーを１２年の２倍に増やし、参加者は１・４倍と好調だ。
ＪＴＢ（同）や日本旅行（同）も同様のツアーを企画している。

◆グッズで応援
香川県観光協会の関係者は「当初、巡礼を観光ＰＲに使うのは畏れ多いとの考えもあったが、強力なツールだと気付か
された」と言う。同協会は昨秋、逆打ちをＰＲするパンフレットを初めて作成。各寺でつくる四国八十八ヶ所霊場会
（同県善通寺市）は今年限定で、梵字を記した紙の花びら「散華」を参拝者に配っている。専用の台紙に貼っていくと
大きな花が完成する趣向だ。

担当者は「逆打ちをきっかけに遍路の文化や歴史に興味を持ち、自身が納得できるような巡礼をしてほしい」と願う。

四国八十八ヶ所霊場会などによると、逆打ちは、平安時代に霊場を開創した空海を追い払った伊予（現在の愛媛）の豪農が、
子を次々と亡くしたため空海に許しを請おうと遍路を重ね、申年に逆回りしてようやく会えたとの伝承に由来する。

順打ちの「結願の寺」、八十八番・大窪寺（香川県さぬき市）から、一番・霊山寺（徳島県鳴門市）まで、反時計回りに
同じ約１４００キロの道のりを巡る。迷いやすいが、順打ちで巡礼している空海と出会いやすいという言い伝えがある。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160521-OYT1T50121.html
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