戦争語り継ぐラジオ塔 名古屋・志賀公園
戦時中まで全国に建てられた「ラジオ塔」をご存じか−。公園など四百六十カ所にあったとされ、スピーカーからラジオ放送を流していた。大半は撤去され、
今は知る人も少ない中、名古屋市北区の志賀公園に残るラジオ塔が、地元で注目されつつある。住民たちは「貴重な遺産を残したい」と話す。
◆住民ら「残したい」
高さ三メートルのコンクリート製で、少し日に焼けたラジオ塔が、志賀公園にひっそりと立つ。裏の銘板によると、一九四二（昭和十七）年に建てられたようだ。
ラジオ塔に詳しい元国立民族学博物館客員教授の吉井正彦さん（７１）＝兵庫県西宮市＝によると、上部の窓に置いたスピーカーからラジオを放送。住民が体操をしたり、
スポーツ中継を聞いたりした。
志賀公園のラジオ塔は昨年二月、写真を撮りにきた男性が、住民に質問したことで、地元の西志賀町五丁目自治会の市原彰四郎会長（７７）が存在を知った。
「近くに住んでいるのに、気が付かなかった」と振り返る。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170225/CK2017022502000062.html?ref=rank