オーストラリアの歌手、グレッグ・グールドは、90年代の名曲であるアン・ヴォーグの『Don't Let Go』をカバーしたMVをリリースし、数時間のうちに100万再生を達成しました。
先週リリースされたこのビデオはグールドと彼のLGBTsの友人たちの実体験をもとにした痛ましいシーンを取り上げています。
動画の中のあるシーンでは、ある男性がパートナーの家族に拒絶され、病室を追い出される様子が映されています。
バス停で、通りすがりの人に暴力を振るわれそうになる別のシーンはグールドが実際に体験したことだそう。
「このビデオを作ったのは僕が自分の人生で見てきた出来事を公開したいと思ったから――僕はバス停に立っていて、友達はパートナーの病室を追い出された」と、グレッグ・グールドはGayStarNewsに語りました。
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動画の中では、まず始めに、グールドと恋人が幸せそうに友人に指輪を見せ合っている様子から始まります。
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歌詞が始まるとシーンは一転、バス停に一人で座っている男性が映し出されます。
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通りすがりの男性は彼の腕にはまったレインボー（レインボーはLGBTsのシンボルカラー）のリストバンドに目をとめると、いきなり彼につかみかかってきました。
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次のシーンでは、恋人の家を訪ねた別の男性が、オーバードーズで自殺未遂した恋人が浴槽に浮かんでいるのを発見してしまいます。
あまりのことに呆然とする男性。必死に恋人にすがりつく様子は胸が痛くなります……。
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病院に運ばれた恋人に男性が付き添っていると、やってきた恋人の両親は息子の手を握る男性を見つけたとたん、病室から追い出してしまいます。なんという無情な仕打ち……。
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今度はドラァグクイーン（女装のパフォーマー）が登場。クラブでパフォーマンスをした帰り、タクシーを止めようとしますが誰も乗せてくれません。仕方なく歩いて家に帰ろうとするものの、道でたむろしていた若者に暴力をふるわれてしまいます。
やっと家にたどり着いて、彼氏がハグしてくれたのを見たときは本当によかった……と思いました。
次は両親に挨拶しようとするレズビアンのカップルです。初め、母親はにこやかに出迎えてくれましたが二人のいないところでは困惑した表情。父親はあからさまに不満を隠しません。ついには怒鳴って食卓を立ってしまいます。
ここで先ほどの入院した男性が再び映されます。息子に詰め寄る母親にもういいだろうと宥める父親。
二人が退出してやっと男性は恋人の病室に入ることが許されました。
最後に、冒頭に出てきたグールドがまた登場します。結婚式場の控室のようなところで、これから結婚式に臨む様々なカップルを目にします。
その中には養子がいるゲイカップルも。
そしてグールドが牧師に付き添われ、パートナーと一緒にエレベーターに向かうところで動画は終わります。
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途中の悲惨なシーンを見てきたせいか、最後は本当に幸せになってほしい、と心から思いました。
グレン・グールドは現在28歳。「オーストラリア・ゴット・タレント」というオーディション番組に出演してから彼のキャリアはスタートしました。2013年に所属していたレーベルから「ゲイすぎる」と伝えられたことをきっかけに、現在は独立しています。
GayStarNewsにグールドが語ったところによると、レーベルは彼に「ゲイの平等はまだ達成されていないとでもいうのか？」と言ったとのこと。
グールドはそれに対して、こういっています。
「彼ら（レコード会社）にとっては、“ゲイのこと”はただのPRに過ぎなかっただろうけど、僕にとっては人生なんだ」
「それは僕の友達であり、僕の家族なんだ」
LGBTsの現状を知ってほしい、との思いで作られたこのMV。これが実際に起こったことだと思うと悲しくなります……。
一方で、最後結婚式に臨む二人には、幸せになって欲しい！ 冒頭でみせてくれた笑顔でずっといて欲しい！ という思いが強まりました。
少しでもこういったつらい出来事が減るようになればいいですね。
http://www.chil-chil.net/sp/compNewsDetail/k/blnews/no/14082
トランスより全然楽勝じゃねーか。