『5分の遅刻で…』福岡の日本人学校、見せしめに"強制帰国"「留学生を人間扱いせず、秩序を守っている」 [895142347]

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見せしめに「強制帰国」　学校乱立の陰で（２）

ベッドのシーツを剥いでパスポートを捜し出すと、衣類や貴重品をスーツケースに詰め込んだ。布団や家具のほか食料、洗剤といった消耗品は部屋に残す。
３人で作業し、１時間弱で終了。「本人が自らの意思で帰国するという前提なので、大家や住民に気付かれないよう注意した」

入管の評価恐れ秩序優先

福岡県内の専門学校の元職員は、数年前に突然退学を宣告された留学生のアパートで荷造りに当たった様子を振り返る。
留学生本人は学校の部屋に入れられ、別の職員が「帰国」に同意するよう説得した。スーツケースを部屋に運び込むと、
留学生は「ぼうぜん自失となり、べそをかくような、目を腫らしたような表情をしていた」。

さらに、別の職員が航空券を準備。留学生を車に乗せ空港まで送り、手荷物検査場に入る姿を確認した。
一連の措置は「強制帰国」と呼ばれ、この専門学校と系列の日本語学校で「歴代職員にノウハウが引き継がれている」。
そのノウハウには「パスポートや携帯電話は空港の手荷物検査ゲートまで預かる」「携帯電話は動画を再生し続けるなどしてバッテリーを使い切る」などがあるという。
強制帰国の対象は、万引などの罪を犯したケースだけでなく、アパートで夜中に騒いだり、入学式のスピーチで、母国語を使い学校を非難したりした留学生もいた。
「明確な基準はなく、学校幹部が『帰せ』と言えば実行した。５分間の遅刻で帰国させたこともある」。元職員はこう語り、「他の留学生への見せしめの意味もあった」と付け加えた。

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日本語学校は、入国管理当局の審査基準によって、在籍する留学生のうち失踪者が５％を超えると「非適正校」に、２０％を超えると「問題校」と区分され、留学ビザの審査が厳しくなる。
別の元職員は「適正校から非適正校になると、ビザの交付率が６～７割から３～４割に半減し、もうからなくなる」と明かす。
学校側にとって「見せしめ」の意味はここにある。元職員は「１人強制帰国させれば他の生徒の背筋が伸びる。引き締めの効果がある」と語る。
ただ、それは「留学生を人間扱いせず、締め付けて学校の秩序を守っているということだ」と関係者は言い切る。

学校幹部は「学生本人は納得しており、強制ではない」と反論。
「事件を起こせばすぐ行方不明となるので、事件を起こす前に管理することになる。明日、明後日に帰国させると学生に言ったら９９パーセント逃げる。そうなると学校に汚点がつく」と続けた。
専門学校を監督する福岡県は「事実であれば、教育機関として不適切な人権侵害行為」とする。
一方、日本語学校を監督する福岡入国管理局は「学校管理の問題もあり、一概に人権侵害行為に当たるかは非常に難しい」とするにとどめた。

http://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/309940

新移民時代ニュース - 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/