性犯罪「魂の殺人」被害者は相談窓口にも行けず一人で抱え込む [771738842]

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人としての尊厳が踏みにじられることなどから「魂の殺人」といわれる性犯罪被害。
専門家によると、時間が経過しても被害者は男性恐怖症やパニック障害などの
トラウマ（心的外傷）に長く苦しめられることがあるという。

県が昨年開設した性犯罪被害者を対象とした窓口に寄せられた相談は9カ月で130件。
担当者は「あくまで氷山の一角。1人で悩まず話してほしい」と呼び掛ける。

置賜地方で10代女性が面識のない20代男に乱暴された事件の裁判が昨年、
山形地裁であった。

「夜が怖くて1人で入浴できない」「電車に乗れず、男性と話せない」…。

公判で検察側は女性が負った深い心の傷を明らかにした。

母親は書面で
「娘は夢や希望を失った。生涯背負って生きていかなければならない」
と陳述した。

県警によると、最近5年間で女性暴行と強制わいせつ容疑事件の認知件数は
年約25～40件。
被害者が告訴しないと起訴できない親告罪のため、「明らかになっていない暗数
もあるだろう」と刑事企画課は推測する。

被害者によると「隙があったのでは」などと自責の念が生じ、訴え出ることに自分で
ブレーキをかけてしまう傾向があるという。

「薄着をしていたから」など、いまだ世間には被害者側の落ち度を指摘するような
一部偏見があることも否めない。

家族や友達にも言えない―。
昨年4月に県が開設した「やまがた性暴力被害者サポートセンター（べにサポやまがた）」
には、助けを求める声が集まる。

1月末までにあった相談130件のうち10～30代の女性が半数を占める。
主に女性の支援員が病院や弁護士の紹介、裁判所や警察への付き添いも行う。

山形地裁で昨年あった女性暴行罪の裁判では被害者に代わり支援員が傍聴。
被告の様子や証言を記録し、書類と面談で報告した。

犯罪白書によると、14年の女性暴行罪の再犯率は51.6％で、一般刑法犯に比べて高い。
置賜地方の事件も同種罪の再犯だった。
容疑者が摘発されないことは、新たな被害者を生むことにもつながりかねない。

「時間がたてばたつほど証拠はなくなり、精神的にも苦しくなる。勇気を出して申し出てほしい」

と窓口担当者は話している。

http://yamagata-np.jp/news/201702/28/kj_2017022800655.php