亀田製菓苦戦＆三幸製菓好調の「米菓市場」が低迷し主要購買層がハイカカオチョコに流れる [771738842]

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米菓市場は昨年度ついに出荷ベース２千７００億円規模に到達し、ここ３年ほど成長軌道にあったが、
今年度に入って暗雲が立ち込めている。

ゴールデンウイーク以降の動きが鈍化し、秋口も低迷、年明けの大幅落ち込みは新潟勢も無縁では
ない。その要因は各種考えられるが、一因にハイカカオチョコの隆盛が挙げられている。

米菓の主要客層である４０代以上のシニア層が、健康機能が脚光を浴びるムクチョコに流れていると
の見方だ。
一方で米菓とチョコの購買行動は違うと異論が出ており、むしろ亀田製菓、三幸製菓が柿の種で規格
変更を行った影響や販促費の抑制などが主因という見方もある。
いずれにせよ今年度は市場全体の前年維持が難しい情勢になってきた。

第３四半期まで亀田製菓、岩塚製菓の決算は増収ペースで推移してきた。
亀田は売上高が前年同期比０・４％増、岩塚は２・８％増だ。
亀田は主力柿の種の規格変更が効いて利益面の寄与も大きく、このペースでいけば今年度の売上目
標１千１０億円に到達する見込みである。

岩塚も利益面はワンワンの動向に左右されるものの、売上げ面は前年超えが見えてきた。

三幸製菓は１０～１２月が１・５％増で推移している。
今年１０年目の「柿の種」は「梅ざらめ」が２５％増と伸長し、「ぱりんこ」も昨年１１月から２ケタ近い伸長
を見せる。

桃屋とコラボの「おかきもち」も話題だが、「チーズアーモンド」は２ケタ増となり、２品目のカレー味も堅
調に動く。
主力「雪の宿」群は前年並みを確保し、米菓群以外で「カリカリツイスト」も配荷が伸びてきた。
栗山米菓もトータル前年並みペースを保つ。

大手４社は総じて悪くないと言えるが、一方で１月に入ってからの急激な落ち込みは、菓子全体もそう
だが米菓も深刻さを増している。

亀田は昨年同月に柿の種の価格改定があった影響で前年対比の部分ではマイナスは免れたものの、
三幸、岩塚をはじめ大手中堅は軒並み前年割れの様相。
市場全体は昨春以降、微減傾向をたどり低調なムードに包まれている。

１６年の菓子市場は消費が伸びているものの米菓の消費が落ちているのは、チョコレートに食われて
いる可能性が高い。
その意味で油で揚げているスナックが、最もハイカカオチョコに客層を奪取されている。
同じ胃袋の取り合いになってきた。

こうした状況下で米菓メーカーでも健康軸へ一層舵を切らないと顧客を奪われるとの焦りすら垣間見え
てきた。
確かに昨年頃からオリーブオイルがヒットする金吾堂製菓やタニタ食堂を前面に出した栗山米菓など、
米菓も他カテゴリーと同様に健康軸が潜在的に浮上してきた。

今春は三幸製菓が「雪の宿」で乳酸菌を入れる、亀田も自社乳酸菌を使用する、あるいは栗山「大麦の
チカラ」、天乃屋の「古代米」も然りで、とかく何らかの切り口で健康軸が大切というムードが漂い始め
ている。ロングセラーの味替え戦略もそろそろ頭打ち傾向が明らかになってきたということだろう。

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