東京電力福島第１原発事故を巡る除染作業に参入させる見返りに、業者から飲食
や接待を受けたとして、福島県警と警視庁は２日、収賄容疑で環境省の出先機関
で福島環境再生事務所の除染推進市街地担当専門官、鈴木雄二容疑者（56）＝
同県南相馬市原町区桜井町＝を逮捕した。
また、贈賄容疑で富山県高岡市にある土木建築会社「大開工業」の元経営者で無職
小杉幹雄容疑者（63）＝高岡市角＝も逮捕した。
福島県警によると、福島原発事故の除染作業を巡る贈収賄事件は全国で初めて。
鈴木容疑者は南相馬市にある支所に勤務し、除染作業の管理監督を担当していた。
支所のほか、小杉容疑者の自宅や大開工業の関係先を家宅捜索するなどして経緯
を調べている。
鈴木容疑者の逮捕容疑は、２０１５年に福島県浪江町で実施した除染作業に、大開工業
が下請け業者として参入できるよう取り計らい、15年９月ごろから16年６月ごろの間、
富山県に旅行した際の交通費や宿泊費、福島県内での飲食費など計数十万円相当の
接待を小杉容疑者から受けた疑い。
環境省によると、鈴木容疑者は民間企業に約１年間勤務して除染作業に従事した後、
15年４月に３年間の期限付きで採用。
業者との関係で外部から情報提供があり、警視庁に相談していた。
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