【囲碁】趙治勲「千葉に墓を作りました。これからもっとＡＩが強くなれば毎日井山と打てる。しかも文句も言わずに打ってくれる。バラ色」 [616869547]

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（人生の贈りもの）わたしの半生　囲碁棋士・趙治勲：１０　６０歳

　■日本への感謝と韓国への愛情を胸に

　――韓国への思いは年とともに増しているそうですね。

　物心ついたときには日本の社会にいて、日本人と当たり前のように結婚して、僕は１００％日本人であるかもしれないんですよね。日本でたくさんの幸せをもらって、
これからも日本の社会で生きていくんだけども、不思議なもログイン前の続きので、韓国への思いはすごくあります。

　――現在の日韓関係は決して良くありません。

　戦争がいけないんですよ。でも全員が戦争を起こすわけじゃない。いつの世でもごく一部の人間が起こすんです。そして民衆が戦場に行かされるんです。それを
これからしないようにしなきゃいけない。民衆はどの国でも仲良く親切ですよ。僕なんか思うのは、早くどこかのとんでもない惑星から地球を攻めに来てほしい。そう
なったときにみんな目覚めるんです。おれたち地球はみんな仲間なんだと。

　――日韓に思いを寄せる趙さんですが、周囲の視線は韓国でも日本でも、好意的なものばかりではなかったと聞きます。

　悲しい部分はもちろんありますよ。僕が日本でタイトルを取ることによって日本の碁界で寂しい思いをした人もいるだろうし。でもそういうことを味わうのは、完全な
不幸であるわけじゃない。半分は幸せなのかもしれない。僕は韓国人なのに、今の生活の基盤も収入も名声も、すべて日本の中にあるわけです。僕を受け入れて
くれている。日本に生きる韓国人だからこそ感じる幸せというものがあるんじゃないか。

　日本には感謝、韓国には愛情。僕は千葉に墓をつくりました。家内はそこに入ってます。僕も死んだらそこに入って、骨をひとかけら釜山の海に投げてくれれば
いいかな。

　――それまでの展望を聞かせてください。

　もう一度、タイトル戦に出たいね。それにはそれに見合った努力をしなきゃいけない。やらねばならぬという思いはあります。可能性はゼロではない。どこで踏ん
切りをつけるかですね。まだちょっとつけられないな。今はもう少しがんばってみようかという気持ちです。

　よく冗談で僕は大器晩成だと言ってるんです。最初に名人をとったときも、大三冠をとったときも、自分はいつも未熟でもう少し強くなるんじゃないかと思っていた。
大きな声で言えないけど、今もその思いはある。過去がいいと思うようになっちゃおしまい。時々思うこともあるけどね、ははは。振り返ったらだめでしょうね。それが
一つのバロメーター。振り返りたくなると、だめだ、と自分に言い聞かせています。

　ＡＩ（人工知能）がもっと強くなってソフトを開発してくれて、それで毎日１０時間ぐらい勉強すればスタートラインに立てるんじゃないかな。井山（裕太・六冠）に毎日
打ってもらえるようなもの。しかも井山と違って文句も言わず２４時間いつでも打ってくれる。世界中で碁が飛躍的に発展していくと思う。強い人は確実に増える。
碁はこれからバラ色の未来が待っている。久しぶりに希望にときめいています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12824304.html?rm=150