ＴＯＫＩＯ城島、オカンとの思い出を語る　「春はラムネ味」 [311660226]

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http://mainichi.jp/articles/20170306/ddm/014/070/057000c

ようやく３月を迎えましたが、春と言えば、あれは私が小学校に上がる前。ご近所さんたちとバスでちょっとした日帰り旅行をすることに。
しかし普段から乗り物酔いがひどく尻込みする私に、当時まだ２０代半ばの母が言いました。
「あんまり気にしたらアカンで。ええか？　車に乗って気分が悪くなるのはナ、知らん間にアンタの口に犬と猫が飛び込んで
おなかの中で暴れるからやねんで」。元気づけようと言ったのかもしれませんが、私には衝撃的過ぎました。

　そして迎えた旅行当日。楽しげな笑い声が響く車内で、最前列に陣取った私は決死のまなざしで一人無言を貫くのでした。
（眠くなってもあくびはアカン。その隙（すき）にヤツらは襲いかかってくる！）。そんな秘策もつゆ知らず、母は臨戦態勢の私を
リラックスさせようと出発時から得意のダジャレを交えたトークを仕掛けてきます。途中トイレ休憩のため減速したその時。
「オカンなぞなぞ！　お手洗いに行く相手に何て声を掛けるか分かるか？」。我慢できず、思わず叫んでしまいました。
「行っといれ（・・・）！　やろ！！」

　ハッと口を手で押さえたものの、時すでに遅し。胃の中はもうムカムカ。戦いに敗れた私は、顔面蒼白（そうはく）に
なりながら顛末（てんまつ）を説明しました。すると母は「残念賞や」と「元気になるラムネ」を１粒くれました。
今思えば酔い止めの薬だったとは思いますが、城島家の家訓の一つに「薬や医者に頼るな気のせいや」というものが。
甘くない不思議な味のラムネでした。

　あれから時はたち、毎日いろんな乗り物を利用する身。この時期、どこかでラムネを見るたびに、なぜかあの春を
思い出すのです。そしてどんな時も歩いて行かなければと、改めてこの春に教えられるのです。

ＴＯＫＩＯ城島、オカンとの思い出を語る 「春はラムネ味」 [311660226]

ＴＯＫＩＯ城島、オカンとの思い出を語る　「春はラムネ味」 [311660226]