神社本庁「女性宮司そのものを認めないわけではない。ただ大神社の宮司に女性はふさわしくないというだけ」 [533895477]

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１０年続く宇佐神宮“内紛”　地裁中津支部判決「免職・解雇」「パワハラ」認定　／大分

(前略)
対立の発端は第８０代の宮司選びだ。宮司任命権を持つ宗教法人の神社本庁（東京）に具申できる責任役員会は２００８年、克子さんを推薦したが、神職たちは「信頼関係を構築していない」などとして、克子氏以外から選ぶよう嘆願。
神社本庁は０９年に「経験が少ない」として別人を宮司にすると決めた。反発した責任役員会は神社本庁からの宇佐神宮離脱届を提出。同年の春の例大祭では上宮本殿で宮司席の取り合いになるという事態も発生した。

克子さんは「神社本庁が具申を無視するのであれば、各神社の自主性はなくなる」などとして、宮司になる正当性を主張して提訴。この“第１次”訴訟は最高裁まで争われたが、克子さん側の敗訴が確定した。
しかし、その後も対立が続く。神社本庁と神宮は「無断で休むことが多く、宮司の指示にも従わない」として、克子さんの免職・解雇に踏み切った。
これに対し、克子さん側は「仕事の割り振り表が回覧されないなど無視され、宮司の指示もなかった」と主張し“第２次”訴訟に発展。パワハラや賃金不払いもあったとして、再び提訴し、２月の判決を迎えることになった。
動揺は氏子にも広がっている。宮司後継選びで克子さんを支持した一部の神社や氏子が神宮の祭事に協力しないなど、絶縁状態に陥っている。

その中で、地元氏子の有志が「宇佐神宮を守る会」を結成。「社家である到津家をないがしろにし、宇佐市民との折り合いが悪い」などとして、現宮司らの退任を求める署名活動を県神社庁宇佐支部と連携しながら進めている。
４月現在、署名は３０００人分を超したという。同会の代表を務める元市議会議長・久保繁樹さんは「どちらにも加担はしていないが、一刻も早く正常化してほしい」と話すが、解決策が見つからないのが実情だ。
https://mainichi.jp/articles/20180503/ddl/k44/040/207000c

皇室よりも跡継ぎに苦労している神社界「女性宮司タブー」

明治時代、国が定めた神社（官国幣社）の宮司には法律によって男性しかなれなかった。戦後に発足した神社本庁でも、当初の規則には“二十歳以上の男子”と明記されている。
「しかし、戦争で男性の数が極端に減ってしまったことから、妻や娘が宮司にならないと維持できないところが出てきたのです。
各地の神社から女性の神職も認めるべきだと言う声が上がり、神社本庁は数年後に女性宮司を認めるようになった。
その後の女性の神職の活躍は目覚ましく、無人の神社が増えている昨今では、女性の神職がいたことで、廃社となることを避けられたケースもあるのです」（前述の神職を務める人物）
こうした経緯があるにもかかわらず、前述のように「女性宮司」の就任を巡ってトラブルが起きるのはなぜなのだろうか。

先に登場した「宇佐神宮」の到津克子氏の知人は、騒動の後ろに、神社本庁の“意図”が透けて見えるという。
「大きな神社だと、氏子の間にも“女性宮司には任せられない”というムードがあるのも事実です。そこに神社本庁が目を付けた。広大な敷地を持つ宇佐神宮には、140億円近い資産があるといわれています。
神社本庁は神社の中央集権化を進めており、資産のある宇佐神宮を、この際“天下り先”として確保したかったはず。そのために、女性の宮司は認めないと言い出したのです」

また、別の神社関係者によると、後継者を巡って神社本庁が介入するのは、勅祭社のほか、「別表（べっぴょう）神社」と呼ばれる神社も多いという。
「別表神社とは、神社本庁が特別規定で選んだ有力神社のことで本庁が人事に直接介入できます。勅祭社と同様、資産が多く、宮司の年収も高い。一般企業に例えると一部上場企業みたいなもので、神社本庁にとって絶対に手放したくない“天下り先”なのです」
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/12081337/