曙、G I 参戦へ [875588627]

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「あけぼの大豆」ＧＩ申請へ…身延町が年内にも

甘くて大粒　町おこしに
収穫期を迎えている身延町特産の甘くて大粒の「あけぼの大豆」について、
地域の特産品の品質に国がお墨付きを与える「地理的表示保護制度（ＧＩ制度）」への登録に向け、
町が年内にも申請することが分かった。
県内でＧＩ制度に登録された農産物は今のところない。
ブランド力を高めて、あけぼの大豆を前面に出した町おこしに取り組み、高齢化が進む農家の収入アップを目指す。

町産業課によると、あけぼの大豆は町の曙地区で明治時代頃から栽培されてきた在来種で、収穫が遅い晩生種。
１９７０年頃から、あけぼの大豆と呼ばれるようになったという。普通の大豆に比べて直径は１・５倍、
甘み成分のショ糖含有量は１・４倍。塩ゆでの枝豆を食べると、歯ごたえがあり、口の中に甘みが残る。

曙地区で採取された種子から生産されたものだけが、あけぼの大豆と認定される。
町はＧＩ制度に登録することで、他産地の類似種との差別化を図る考えだ。現在、申請書を作成中で、申請から登録まで１年ほどかかる見通しという。

同時に、生産者や町などでつくる協議会は毎年１０月の土日祝日、町内各地で枝豆収穫を体験する「身延のあけぼの大豆産地フェア」を行い、ＰＲしている。

１４日に町内で行われた収穫体験には多くの家族連れが訪れた。それぞれ畑の１畳ほどの区画で枝豆を手で一つ一つちぎって収穫。

畑を所有する兼業農家佐野靖さん（５９）によると、収穫体験の参加者は２日間で昨年５０組程度だったが、
今年は２００組を上回る勢いという。「猛暑の影響で生育が遅れているが、品質は健在。想定以上の人が来てくれた」と喜ぶ。

町は耕運機などの農機具を有償で貸し出し、新規参入者向けに栽培講習会を開いている。
取り組みが奏功し、あけぼの大豆の種子を配布した町内の農家件数は２０１６年度の１９７件から１８年度は２７３件に増加。
栽培面積は約２７ヘクタールで毎年２ヘクタールほど増えているという。同課の望月真人課長（５７）は
「町外から参入する農家もいて、農耕放棄地の解消につながっている」と語る。

町商工会が町内飲食店と連携して丼ものを提供する企画「身延どんぶり街道」では、
一部の飲食店であけぼの大豆が載った肉みそ丼や、あけぼの大豆で作ったみそを使用したみそモツ丼を提供している。
町商工会の望月信幸経営指導員（４１）は「あけぼの大豆の認知度が広がっている」と話す。

農家の一人は「かつて町内ではブドウや桃も栽培していたが、他地域に押されて下火になった。
今後はあけぼの大豆で勝負していきたい」と意気込む。

「産地フェア」は今月末までで原則、要事前予約。問い合わせは町産業課（０５５６・４２・４８０５）へ。

https://www.yomiuri.co.jp/local/yamanashi/news/20181019-OYTNT50110.html