大阪府警が全交番に24時間録画態勢の防犯カメラを設置へ [522275885]

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大阪府警が全交番にカメラ　襲撃事件防止

1/29(火) 9:54配信産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190129-00000536-san-soci

大阪府警が府内で６００カ所ある交番すべてに、内部の事務室を写す防犯カメラを設置する方針を固めたことが２８日、分かった。
府警では現在、交番内を写すカメラは常設していないが、富山県や宮城県の交番で警察官が襲われる事件が相次いだことから、
同様の事件を防ぐため、全交番にカメラを整備する必要があると判断した。

府警によると、拾得物の届け出や犯罪被害の申告のため、市民が訪れる交番は府内で６００カ所。
これに、主要駅にある鉄道警察隊の４つの分駐所を加えた計６０４カ所に、来年度中にカメラを整備する方針。

警察官が来訪者に対応する事務室の天井にそれぞれ１台取り付け、２４時間態勢で室内を記録。
警察官が襲われるなどの事件が発生した際は、捜査に活用することを想定している。

交番をめぐっては、昨年６月に富山市で、元自衛官の男が警察官を殺害して拳銃を奪い、近くの小学校で警備員を射殺する事件が発生。
同年９月には仙台市で警察官が刺殺され、今月２４日には富山市内の駐在所でも、警察官がハンマーやナイフを持った男に襲われる事件が起きた。

全国の都道府県警で交番内を写すカメラを導入しているところはあるが、大阪ではこれまで、警察官が家族とともに居住する駐在所のみに設置されていた。
府警は交番内に防犯カメラを設置することで、警察官から拳銃を奪おうとする事件などの発生を抑止したい考えだ。

■訓練動画、レイアウト工夫　交番の安全対策次々と

大阪府警が府内の全交番内に防犯カメラを設置する方針を固めた背景には、
警察官が襲われて拳銃を奪われれば、市民の安全を脅かす事態につながるとの危機意識がある。
警察官でも凶器を用いて不意を突かれると、襲撃を完全に防ぐことは難しく、過去には奪われた拳銃で市民が犠牲になった事件も起きている。
こうした事件をどのようにして防ぐか。防犯カメラの設置といったハード面に加え、さまざまな状況を想定した訓練などの対策も進められている。

「落とし物をしたんですけど」。若い男が交番内で警察官に声をかける。
警察官は優しく「受理しますね」と応じ、男よりも先にいすに腰掛けた。
警察官が机の書類に目をやった瞬間、男は立ったままかばんからナイフを取り出し、警察官の胸をひと突き－。

過去に他府県の交番で発生した襲撃事件の手口などを参考に、府警が作成した指導用動画の一場面だ。

「来訪者よりも先に座らない」「対応する机にははさみなどを置かない」。
動画では、道を尋ねられたときや来訪者が複数の場合など、さまざまな状況を想定した対応策を紹介。
警察内部のオンライン上での閲覧が可能で、各警察署での教養にも活用できる。

「交番訪問者は、落とし物をしたり道に迷ったりして困っている人が多い。親身になって応対しようとして警戒感が薄れる危険性がある」。
ある警察幹部は交番勤務の難しさをこう指摘する。

富山市で今月に発生した事件では、容疑者がパトロールに出かけようとした警察官に「携帯電話を拾った」と声をかけたとされる。
一方、昨年６月の同市での事件では、交番の裏口をノックした容疑者が応対した警察官をいきなり刃物で襲っており、いずれも警察官の隙を突こうとする意図がうかがえる。

こうした事例を踏まえ、府警は各警察署に対し、交番裏口での来訪者対応を禁止するよう指示した。
交番入り口と警察官の執務エリアとの間をカウンターなどで仕切るように、事務室のレイアウトも工夫。
カウンターがない交番ではキャビネットを置くなどして、不審者が突然侵入してきた場合でも距離を保てるようにしたほか、
さすまたなどの護身用の装備品を取り出しやすいところに配置することも指導している。

こうした取り組みは全国の警察本部でも行われている。
府警幹部は「警察官自身の身を守ることが、市民の安全につながる。より実践的な訓練や交番の環境整備を強化していきたい」としている。