なぜ男さんは純粋で一途で真面目な子より浮気しまくりのビッチを選んでしまうのか [377482965]

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片思いしている男友達に彼女ができたとき、高校生の僕が取った行動とは | 文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/11178
（前回までのあらすじ）高校でたくさんの友達に恵まれた僕は、同級生の男の子、ハセに恋心を抱いてしまう。ハセへの恋心を公言する恋敵・愛に嫉妬していたが、健康ランドのバイトに明け暮れている頃、ハセには別の恋人ができていた。

ハセの彼女は「マミちゃん」という子で、僕らと同い歳だが、中学を卒業して、高校には通わず夜の街で働いている子だった。たぶん年齢などもごまかして働いているのだろう。
僕が知る限り、マミちゃんはこれまで、僕が1年の時のクラスメイトだった、森木という男と付き合っていたが、森木と別れ、ハセと付き合うことになったようだ（森木とハセとマミちゃんは同じ中学出身だった）。

僕は森木に詰め寄った。

「森木！　マミちゃんをハセにとられて悔しくないのか！　なんでマミちゃんと別れたの！」

「全然悔しくないよ。あいつ、俺と付き合ってる時からいろんな男と浮気してたし、最悪な女だよ。別れられて清々してる！　ハセもドンマイって感じ」

僕にしてみればドンマイなんて言葉で済ませられることではない。そんな最悪な女にハセが騙されることなど、あってはならない！

「森木てめえ、この野郎！　お前が清々してもしょうがねえんだよ！　どうしてくれんだよ！　全部てめえのせいだからな！」

僕は発狂していた。

「何がだよ！　七崎、落ち着けって、どうしたんだよ！」

「森木、今すぐハセのとこに行って、森木が浮気されてたこと、マミちゃんがクソみたいな女だってことを、ハセに説明して来い！　友達として、マミちゃんと付き合うのはやめた方が良いって、今すぐ言ってこい！」

「嫌だよ。俺には関係ない！　それにハセは全部知ってると思うよ」

「知ってて、ハセがなんで、そんなクソ女と付き合うんだよ！」

「俺が知るかよ！　それに俺はもう関わりたくないね。悪いけど」

「森木が言わないなら僕が言う！　森木のバカ！」

ハセはとんでもない女と付き合ってしまったのだ。きっとハセは騙されてるんだ。誰かがその女の本性を知らせなければいけない。きっとまだ取り返しが付くだろう。僕は急いでハセの教室へ向かった。

「ハセ！　森木から聞いたんだけど、マミちゃんって、森木と付き合ってる時に、浮気ばっかりして、本当に最悪な女だったらしいよ！」

「ああ、うん。知ってるよ」

「じゃあ、なんでそんな女と付き合うんだよ」

「七崎は森木の言い分しか聞いてないだろ。マミはマミで辛かったんだよ。森木がちゃんとマミのことを見てやってなかったから。マミもそのことは反省してるよ。俺はマミをちゃんと大切にするし、誰が何て言おうと、俺はマミを信じてるから」

大切にする？　信じている？　虫唾が走る。ここでめげる訳にはいかない。友達として、変な女と付き合うのを止める権利はあるはずだ。

「ハセ、本気じゃないよね？」

「人を好きになったことが無い七崎には分からないよ、俺の気持ちは……」

「分からないよ、そんなの！　人を好きになると、みんなバカになっちゃうの？　今のハセはバカすぎるよ。そんな女と付き合うなんて、冷静とは思えない！　理解できない！」

「七崎に分かってもらおうなんて、思ってないよ。七崎は冷たい人間だ。他の友達は、俺に彼女ができたことを、喜んでくれてるのに」

「ごめん。でも……喜べないよ」

「今はそうやって言ってるけど、マミと一緒に飲んだりしたら、マミと七崎は仲良くなれると思うんだ。気が合うと思う」

「仲良くなれたらいいけど、全然自信ない。たぶん僕には合わないと思う。ハセには冷静になってほしい。僕は友達としてハセにちゃんと幸せになってほしいだけなの」

冷静じゃないのは僕の方だった。愛だって、同じ心境なはずなのに、僕のようには騒いではいない。それに僕は、ハセに幸せになってほしいのではなく、ハセが誰かのものになってしまうのが辛いだけだった。

「今度マミと一緒に、健康ランドのバイトを受けようと思うんだ。俺とマミが受かったら、みんなで一緒にバイトできるよ。マミとも、仲良くしてほしい」
ハセが、僕のバイト先の面接を受けてくれるのは嬉しかった。ただ、ハセだけが合格すればいいと思った。