「ぎゃー」　悲鳴が響く「キモい展」が全国巡回・行列ができるほどの大盛況 [541636285]

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キモい展　不思議な魅力　懸命な姿、いとおしく

クモやゴキブリ、カエル……。グロテスクで見た目が気持ち悪い世界の生き物を集めた「キモい展」（実行委主催）がJR仙台駅前の商業施設イービーンズ（仙台市青葉区）で開かれている。
会場前には行列ができるほどの盛況ぶり。一体、何がそんなに魅力的なのか。怖いもの見たさでのぞいてみた。【遠藤大志】

　「ぎゃー」。薄暗い展示室に入ると、さっそく悲鳴が響いた。最初にお目見えするのは、水槽に入った大量のゴミムシダマシの幼虫。
通称「ミールワーム」だ。うねうねとうごめく様子は気持ち悪いが、なぜか何度も見てしまう不思議な魅力があった。

　この展示会では「気持ち悪い生き物（アニマル）」を「キモアニ」と表現。
水生生物、陸生生物、虫の三つの展示ゾーンに約30種類のキモアニを展示している。
水槽の中でひしめき合うアフリカツメガエル、ヤモリなど両生類・爬虫（はちゅう）類のほか、ヤスデなどの節足動物、海外産のゴキブリといった昆虫類も充実。
誰でも自分が一番苦手な生き物を見つけることができるラインアップだ。

　展示されているのはグロテスクな生き物ばかりではない。東南アジアに生息するネズミの仲間「コタケネズミ」は小さな瞳に、むき出しの前歯がユーモラスでかわいらしい。
記者がケージをのぞくと、穴に隠れてしまった。若者の間では「キモかわいい」と評判らしい。

　取材していて、一つ気づいたことがある。悲鳴を上げたり目を背けたりするのは主に大人。
一方、子どもたちの多くは生き物を「かわいい」「かっこいい」と興味深そうに眺めているのだ。
記者も子ども時代は臆せず虫を触っていたことを思い出した。あれは何だったのだろう。

　会場には親子連れが目立った。長女の向日葵（ひなた）さん（5）と訪れた同市のパート従業員、星和加奈さん（35）は「『キモい』の一言です」と顔をしかめていたが、
向日葵さんは「ネズミはかわいかったし、虫も怖くない。もう一回戻って見てくる」と楽しんでいた。

　キモい展は全国巡回するほどの人気ぶり。
運営スタッフの加藤雅史さんは「グロテスクと言われる生き物たちは、進化の過程で生き残るための戦略としてキモさを身につけてきたのです。そこに気づいてもらえるとうれしい」と狙いを話す。
確かに、心を無にしてキモアニたちを眺めていると、懸命に生きている姿がいとおしくも思えてくるのだ。

　会場には物販コーナーも。売っていたのは、タガメやバッタなど食用昆虫のパック。
同僚からの非難を承知で、記者も試しにタランチュラの素揚げを購入し職場へ持ち帰った。

　パックを開けると、水分の抜けた茶色いタランチュラが出てきた。おそるおそる足からほおばってみる。パリパリと香ばしいエビのような味がした。
これはビールに合う！　新しい発見だ。やはり、何事も見かけで判断してはいけない。生き物たちから学ぶことは多いと実感した。

　◇キモい展

　形や動きなどから不快に思われる生き物を集めた展示会。2016年4月の名古屋市での開催を皮切りに、東京など全国を巡回し仙台市で7カ所目。
これまで約30万人を動員したという。午前11時～午後7時。入場料は大人800円、小学生以下600円。5月6日まで。
日時限定で生き物とのふれあいコーナーや昆虫食の試食会もある。問い合わせは事務局（0120・054・283）。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190407-00000011-mai-life

「ぎゃー」 悲鳴が響く「キモい展」が全国巡回・行列ができるほどの大盛況 [541636285]

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