在英フランス人「6歳の息子から『国に帰れ』とかヘイトスピーチされた。国民投票以来、イギリスは変わってしまった」 [294427461]

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ＥＵのトゥスク大統領は、イギリスのＥＵ離脱を協議する１０日の首脳会議を前に加盟国首脳にあてた書簡で、
「最長１年のフレキシブルな離脱延期」を検討すべきだと主張しました。理由について、離脱延期を与えるたびに緊急首脳会議を開くことになり、
ＥＵの日程に支障を来すとしたほか、“合意なき離脱”の危険が繰り返し訪れるのを避けられるとしています。

　こうした中、離脱をめぐる混乱はイギリスに住むＥＵ出身者にも影響を与えています。イギリスには３００万人のＥＵ出身者が住んでいて、フランス人のヴァレリーさんもその一人です。
２０年以上前に留学生として訪れたイギリスが気に入り、卒業後も仕事を得て、そのまま住み続けてきました。イギリス人のマークさんとの間に６歳の息子もいます。
ごく普通に暮らしていましたが、ＥＵ離脱が決まった国民投票は、まさに晴天の霹靂でした。

　「『移民が多すぎる』『国境を取り戻す』という話ばかりだったので、『私たちのこと？もう私たちはいらないの？』と感じました」（在英フランス人ヴァレリーさん）

　イギリス政府は、ＥＵ出身者の権利は保証するとは言っていますが、ヴァレリーさんは社会の雰囲気が変わったと感じています。それは息子にも影響を与えました。

　「息子とけんかしたときに『自分の国に帰れ』って言われ、ショックでした」（在英フランス人ヴァレリーさん）

　国民投票後、数か月間、精神的に不安定な状況が続き、以来、抗うつ剤を処方されています。実は、ヴァレリーさんのようなケースは珍しくありません。

　「こちらでは、ＥＵ離脱への不安から心のバランスを崩したＥＵ出身者たちの相談を受け付けています」（記者）

　自身もオランダ出身のヴァン・ドーゼン教授は、精神的にまいってしまったＥＵ出身者の相談が増えていると話します。

　「相談に来る人たちは皆、激しい不安感を抱えています。孤独感や自分が信頼して愛した国に裏切られたという感覚です」（心理療法士ヴァン・ドーゼン教授）

　３月末に離脱するはずが、不確定な状況がさらに続き、ヴァレリーさんの不安も消えません。

　「いつになったら、将来のことを考えられるのかしら・・・」（在英フランス人ヴァレリーさん）

　離脱や、その先行きの不透明さは、イギリスに暮らす人たちの心にも影を落としています。（10日16:03）
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