「図書館でボードゲーム」若者に人気広がる　「ボードゲーム」を、図書館で扱う資料ととらえる動きも [621794405]

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「図書館でボードゲーム」広がる

　静かに本を読んだり勉強したりする場のイメージが強い図書館で、ボードゲームを楽しむ活動が広がっている。
若者が訪れるきっかけをつくるとともに、ゲームに関連した本に触れることで読書に結び付けるのが狙いだ。
本や映画などと同様に、ゲームを図書館で扱う資料ととらえる動きも出ている。（小柳津心介撮影）

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夜の館内でゲームを楽しむ参加者ら＝三重県鈴鹿市立図書館で

　「えーっ、難しい！」「なるほど、素晴らしい！」。三重県鈴鹿市立図書館が開いたイベント「ノーボードゲーム・ノーライフ」。
ひっそりとしているはずの夜の館内に、３０人ほどの若者らの歓声が響いた。

　ボードゲームで遊ぶ場を提供する津市の店「サンタス（ＳＡＮＴＡＳ）」が協力し、
約５０種類を用意。実在するタイトルを組み合わせて新しい書名を作る「横暴編集長」や、
お気に入りの本からカードが示すお題に沿った言葉を探す「みんなで本をもちよって」など、読書との関連性が強いゲームをそろえた。
「クトゥルフ神話」など、ゲームのモチーフになった関連書籍の棚も設けた。

　同館でのイベントは昨年７月に続き２回目。一般利用者の迷惑にならず、社会人も参加しやすいようにと、今回は休館日の夜に開いた。
司書資格を持つ同館職員韓（はん）みなみさん（３１）は「若い人がこんなに来てくれるとは。継続的な利用者になってほしい」と期待する。

　イベント中に貸出券の作成を呼び掛けたところ、８人が新たに登録。市内に住む椙山女学園大１年の岡田紗梨菜さん（１８）もその１人で
「初めて会う人とも仲良くなれた。本に興味を持つきっかけにもなった」と笑顔で語った。

　こうした活動は欧米では盛んで、ボードゲームを所蔵資料として扱い、貸し出す図書館もある。
米図書館協会を中心に毎年秋に催される「インターナショナル・ゲームズ・ウイーク」では、世界中に「図書館でゲームをしよう」と呼び掛けている。

　国内の事例や課題などをまとめた書籍「図書館とゲーム」（日本図書館協会）の共著者で
「ゲーム司書」として活動する熊本県立大図書館司書の高倉暁大（あきひろ）さん（４３）によると、
図書館でのボードゲーム会は、日本では２００８年に山中湖情報創造館（山梨県山中湖村）が先鞭（せんべん）をつけ、１５年ごろから拡大。
昨年１１月には名古屋市守山図書館、同１２月には岐阜県関市立図書館でも開かれた。

　日本でも根付くためのカギを、高倉さんは「人を集める企画から一歩先に行き、ゲーム文化の奥深さを伝えたり、
ゲームを通じて人や本とつなげたりすること」と指摘。「図書館の基本的なサービスとして、ボードゲームがあるのが当たり前になれば」と話した。

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用意されたボードゲーム＝三重県鈴鹿市立図書館で

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