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https://digital.asahi.com/articles/ASN2P43XSMC5UCVL028.html

「生涯の伴侶探したい」広がる性的少数者の婚活サービス

長く連れ添えるパートナーを見つけたい性的少数者向けのサービスが、少しずつ広まっている。「結婚相談所」や「婚活パーティー」も登場、会員数や参加者を増やしている。

　「真剣にお付き合いをして、生涯を共に過ごせる伴侶を探したかった」。エンジニアでゲイの男性（30）は、同性愛者向けのパートナー紹介サービス「リザライ」東京店（渋谷区）で研究者の男性（26）と出会い、昨夏付き合い始めた。

　リザライは、2016年にサービスを開始。会員が記入した年齢、身長、体形、自己PRなどを元に月に1～3人を紹介、コンシェルジュがお見合いをセッティングする。16年に160人だった会員が今は約500人。これまでに110組のカップルが生まれた。今月大阪店もオープンした。

　「ずっと一緒にいたいというニーズは性的少数者の方にもあるだろうと思い、パートナーを探せるサービスを始めた」と飛田要一社長（52）は話す。自治体で同性パートナーの公認制度が広まり、性的少数者に対する認知度が高まるにつれ会員が増えてきたという。母親同伴で相談に来る人もいる。

　ゲイ専用の結婚相談所「ブリッジラウンジ」（東京都新宿区）は昨年5月からサービスを始め、約250人が登録している。コンサルタントがパートナー探しの相談やお見合いのセッティングをする。ブリッジラウンジの運営会社が手掛けるゲイのマッチングアプリ「ブリッジ」は1日3人を紹介され、「いいね」を送り合えばメッセージが交換できる。約4万人が登録しているという。

　ウェディングサービスを提供するエクシオジャパン（横浜市）は16年からゲイ、レズビアン向けのカップリングパーティーを開催。1回あたりの参加者は16年と比べ倍増、累計約1千人が参加し
約200組のカップルが生まれたという。宮島秀樹取締役（42）は「男女の婚活イベントの参加者から性的少数者向けのパーティーも開いてほしいという要望が寄せられ、開催するようになった」と話す。

　LGBT総合研究所が19年に20～60代の約42万人を対象にした全国ネット調査では、LGBT・性的少数者に該当する人は約10%。同性婚の法制化を目指すNPO法人EMA（イーマ）日本の寺田和弘理事長（46）は「性的少数者は比率が少ない上、日本では公にしていない人も多く、出会いが限られてしまう」と指摘。こうした事情が、性的少数者向けのサービス拡大の背景にあるとみている。

　同性パートナーシップの法的保障を求める「同性パートナーシップ・ネット」の調査では、全国の34自治体が同性パートナーシップ制度を導入（2月7日時点）、NPO法人「虹色ダイバーシティ」の調査では、759組がパートナーシップ制度で登録された（1月20日時点）。
15年4月に渋谷区が「パートナーシップ証明書」を交付する条例を先駆けて施行し、その後各地に広がっている。ただ、同性婚が法制化されていないため、同性パートナーは法定相続人になれない、配偶者控除を受けられない、共同親権を持てないなど、様々な法的保障が得られない状況にある。

　30代の会社員は、ゲイの出会い系アプリも使い、新宿2丁目のゲイバーにも行ったが、恋愛には発展しなかった。「このままずっと一人だと孤独だな」と感じてブリッジラウンジに入会、これまでに13人とお見合いをした。ただ、同性のパートナーと法的に結婚できないことへの不安も感じているという。

　昨年2月に同性カップル13組が国を一斉提訴した同性婚訴訟の東京弁護団共同代表、寺原真希子弁護士は「法制化されることで、不利益がなくなり暮らしやすくなることはもちろん、カミングアウトしたい人はよりしやすくなるように、社会の意識も変わっていくことが大切です」と話す。

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