菅野美穂 [364474515]

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東京）都立大学の魅力ある店主　イラストで紹介

都立大学駅（目黒区）の商店街で働く人たちを似顔絵で紹介する無料のガイドブック「とりつじん」が商店街に新たな風を吹き込んでいる。昨秋に完成したシリーズ３冊目は、１、２冊目と同様、一人ひとり違うイラストレーターが描いており、商店街の人たちの魅力を引き出している。

　昨年１０月に商店街で配られ始めた「とりつじん　Ｖｏｌ．０２」。計２３ページの本には、とんかつ屋を営む夫婦のほか、カラオケスナックのママ、小さなギャラリーのオーナーら約２０人が描かれている。人柄に特化しているため、普通はありそうな店の営業時間や商品などの記述はない。

　例えば「お魚屋のマーちゃん」。あごひげをたくわえて、眼鏡をかけた男性が魚に囲まれている。どこかほほ笑んでいるよう。一言欄に「好きなタイプの女性は、菅野美穂似の『連絡が取れる人』」。１８０字ほどの紹介文に、仕事への情熱や趣味も書かれてある。

　商店街では好評で、１０月にできあがる前から「次の『とりつじん』はまだ？」という声が上がったほどだ。２カ月半たった昨年１２月中旬には、予定の５千部がほとんどなくなったといい、実行委員会は増刷も検討している。

　初めて「とりつじん」が発行されたのは、２０１４年１２月。その年の春から商店街の若手が深夜までのミーティングを重ねていた。テーマは「新しい客を呼び込むためにはどうすればいいか」。都立大学駅周辺の特徴は個人店の多さ。２カ月後に浮かんだアイデアは、魅力ある人をイラストで紹介することだった。

　「とりつじん」を企画した実行委員会のメンバーの一人で、商店街で茶葉などを販売する茶舗「大坂や」の店主・三室茂さん（３６）は「子どもにも、年配の人にもわかるようにイラストにした。それぞれイラストレーターが違うので商店街の人の魅力が色々な角度から描かれている」と話す。

　３年間で３冊ができあがり、５０人以上が紹介された。その間、描かれた人と会ってみたいと、商店街に新しい客が増え、疎遠だった店同士の交流も生まれたという。「２０年の東京五輪まで、１００人紹介するのが目標」と三室さん。活気ある将来の商店街の姿を想像し、表情を緩ませた。