安倍晋三が本気で嫌がる悪口教えてくれ [614589332]

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教科書まだ受け取れない子も　長引く自宅学習、生む格差

新型コロナウイルスの感染拡大により各地の学校で休校が続くなか、子どもの学習をどう支えるかが課題になっている。授業の動画配信などに積極的な自治体がある一方で、教科書すら配れていない地域も。家庭の経済状況による格差の拡大も懸念される。文部科学省は「可能な限りの措置」を学校に求めるが、現場からは「限界がある」と悲鳴が上がる。

　「今日のめあては『地図帳と仲良くなろう』です。教科書をパラパラと開いてみて」「動画を一時停止して、気がついたことをノートに書きましょう」

　横浜市中区の市教育委員会の施設で15日、緊張した表情の男性教員2人がゆっくりした口調で、カメラに呼びかけた。ネット配信用の授業動画の撮影だ。

　26万人の小中学生がいる横浜市は5月までの休校延長を受け、小中学生向けに授業動画のネット配信を始めた。学校経由で配布されたIDとパスワードを使い、専用サイトで見る。今月初旬以降、130本の動画を配信し、月末までに520本の制作をめざす。

　市教委はユーチューブなどでの配信も検討したが、セキュリティーを考慮し、5月に導入予定だった教職員向けのネット研修システム（eラーニング）を前倒しして転用した。

　動画は教員や業者ら約180人でつくっている。2度目の収録に臨んだ小学校教員の細水大輝さん（36）は「実際の授業と違い、子どもの反応が見られないのは大変。なるべく楽しく、大きな声を出すようにしている」と話した。

授業のネット配信に戸惑いも
　すべての県立高校と特別支援学校でオンライン授業を始めるのは岐阜県教委。20日から5月6日まで教員による授業をネット配信し、生徒は自宅で授業を受ける。1校ごとに専用のオンライン教室を開講し、教師が同時双方向型で生徒を指導。自宅にWi―Fi環境がない生徒には授業を録画したDVDを貸し出す。

　現場には、映像授業に対する戸惑いもある。大阪市教委は、小学4～6年生と中学生向けの算数と数学、英語の動画計24単元分を20日と27日、ユーチューブで配信する。
ただ、市教委の長畑卓志首席指導主事（50）は「動画はあくまで補助。教室で子どもと一緒につくる授業と一方向の動画では、内容の伝わり方がまったく違う」としたうえで、「できることをやるしかない」と言う。

　「紙」を使った学習を進めるのは名古屋市教委だ。小中学生向けに家庭学習用のプリントを作り、9日から市教育センターのサイトで公開。学校を通じて保護者らに伝え、自宅で印刷したり、学校に取りに来てもらったりする。「各家庭で新しい教科書をみながらプリントで予習してもらうことで、学校が再開した時に少しでも円滑に授業を進められれば」と市教委の担当者は話す。

　一方、福岡市立小中学校の子どもたちは新しい教科書を受け取っていない。始業式の延期を決めた市教委は、13日から教科書を配るよう各校に通知したが、感染リスクが高まることへの不安が一部の保護者から寄せられ、11日に急きょ中止した。配布は5月7日以降とし、登校日の設定や家庭訪問もしないよう各校に指導している。

　福岡市教委は学習支援動画約180本を配信し、視聴を呼びかける。授業で使うために昨年2月、25本で始めたサービスだが、休校後に急きょ増やした。「教科書も配れなくなり、苦しいが、工夫して子どもたちの興味や関心を高めたい」と担当者は話す。

　学校や教委の模索が続くなか、福岡市内のある学習塾では休校中も塾生の小中学生に来てもらい、1学期の学習を完了した。塾側は「学校再開後は倍速で授業が進むはず。教科書もなく遊んでいる子どもたちは、どんどん振り落とされていくだろう」と話す。

パソコンない家も…振り回される教員
　安倍晋三首相の突然の要請を受け、全国の公立小中高や特別支援学校の大半が一斉休校したのは3月初旬だった。1カ月余りが過ぎた今月10日、文科省は全国の都道府県教委などに休校中の家庭学習の指導内容を通知。プリントやテレビ放送のほか、ネット教材やテレビ会議システムを使ったオンライン指導も例示した。

　萩生田光一文科相は14日の会見で、地域や家庭の経済状況による学力格差が広がる懸念を問われ、「休校が終わった後に格差が生じないようにしたい」と発言。「地方に丸投げをするとかじゃない」「自治体によって支援メニューは異なるので、しっかりフォローアップしたい」と強調した。

　しかし、自治体間の格差に加え、ネット環境やパソコンがない家庭もある。現場には、文科省の姿勢に対する不満も渦巻いている。