お前ら、いい加減有線イヤホン,ヘッドホン捨てなよ。　時代は何でもワイヤレスだぞ。 [872146238]

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がらがらのニューヨーク　「映画の世界のような恐怖感」

エネルギーにあふれ、市民や観光客を魅了してきたまちから、急にひとが減った。840万人の人口を抱え、年間6500万人が訪れる米ニューヨーク市。新型コロナウイルスの影響で多くの観光スポットが閉まり
16日夜からは店内での飲食も禁じられた。先行きが不透明な中、生活苦を訴える人も出始めた。
16日昼、青空が広がるニューヨーク中心部のタイムズスクエアの人出は、ふだんより極端に少なかった。観光バスのチケットの売り子たちも、声をかけるべき客がおらず、スマートフォンをいじっている。
電光掲示板を背景に腰に手を当て、母親に写真を撮ってもらっていたのは、ブラジルのサンパウロから来た大学生、レティシエ・シャドレさん（18）。
アップルストアでワイヤレス型イヤホン「エアポッズ」を買い、自由の女神像を見て、ブロードウェーで「アナと雪の女王」を鑑賞して……。
そんな予定を立てていたが、かなわなかった。夜からは外食も不可能に。「何もできない」。19日に帰国する予定を早め、17日の便に振り替えた。「悲しいけど、セントラルパークで太陽でも浴びようかな」
ニューヨーク市内のレストランで働くジャック・ディラニーさん（26）は、16日から仕事を休むことにした。「感染のリスクがある中で働けない。ただ、今月の家賃が払えそうにない。どうやって暮らせばいいのか」と嘆く。
時給は16ドル（約1700円）。普段なら、さらに1日30～70ドル（約3200～7500円）のチップを客からもらえるが、ニューヨーク市では16日夜から配達と持ち帰り以外の営業が認められなくなったので、チップは期待できない。
「ただただ、ウイルスが怖い」とディラニーさん。医療保険には入っておらず、仮に新型コロナウイルスに感染しても、病院に行くだけの経済的余裕がない。
「米国はカタストロフィー（悲劇的な結末）を迎える。そうなれば、一番困るのは私たちのような労働者層だ」
売り上げが9割落ちた店も
16日午後8時。州が定めた店内での飲食禁止の時間になった。レストランやバーの店内をガラス越しにのぞいたが、テーブルの上に椅子が載せられ、中には誰もいない。すでに公演中止を決めていたブロードウェーの劇場が並ぶ通りも、がらんとしている。
1984年にニューヨークに日本料理店を出し、現在は市内で16店舗を経営するTICレストラングループの八木秀次社長（71）は店内での飲食禁止について、「（2001年の）米同時多発テロのときにもなかった未曽有の事態だ」と話す。
ニューヨーク市で初めて感染が確認されたのは今月1日。それから感染者は増え続け、16日時点では少なくとも463人に上る。
「ニューヨークの場合、いろんな人種の人たちが、いろんな国からくる。感染が広まるスピードもそれだけ早いはず。店内での飲食禁止は当然の措置だろう」
八木さんの店では、持ち帰りや配達は可能な限り続ける。ただ、「味付けが同じでも、容器の関係で見た目が簡素になったり、良質な雰囲気を提供できなかったりする。その点は残念だ」と悔しがる。
雇用する従業員は約300人。各自の生活が困らないように給与を支給するなど、できるだけ会社側で負担しようと考えている。ただ、3月に入り、売り上げが9割落ちた店もある。
「この状況がどれだけ長く続くかわからない、というのが一番のネック」と八木さんは話す。「災害であれば復興ができるが、目にみえないウイルスが相手では先が見えない。映画の世界のような恐怖感がある」
ニューヨークでは、アジア系に対するヘイトクライム（憎悪犯罪）も起きている。
米メディアによると、ニューヨーク市警は16日までに2人を逮捕。10歳の息子と歩いていた香港出身の米国人（47）は容疑者の男（44）に「マスクはどこだ」と背後から叫ばれて体を押され、別の男性（59）は、少年（13）
から蹴られて新型コロナウイルスにからんでアジア系であることをののしられたという。

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